captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

種まく旅人 ~みのりの茶~

陣内孝則田中麗奈主演、日本の映画である。

 

農林水産省官房企画官の大宮金次郎は、有給を使って全国の農家を巡っている。

 

「金ちゃん」 と慕われる彼は、農作業を手伝ったり、供に酒を酌み交わしたりしながら、現場の声を聞いていた。

 

金次郎は大分県臼杵市へ、農政局長として出向することになった。

 

会社を辞めた森川みのりは、デザイナーとしての仕事を探している時、友人が出している求人広告に目がとまった。

 

みのりの友人、栗原香苗は、大分で農業カフェを開いていた。

 

香苗のカフェを訪れたみのりは、夢を次々に実現させていく香苗が、羨ましかった。

 

その後みのりは、母の言いつけで、臼杵市で1人暮らしをしている祖父の修造を訪ねた。

 

晩御飯を御馳走になり、帰り支度をしていると、男が訪ねてきた。

 

「金ちゃん、久しぶり」 と、彼を見た祖父は大喜びだ。

 

酒盛りが始まった。

 

翌朝、金ちゃんと修造は祖母の墓参りに行き、そこで修造が倒れた。

 

修造は心臓の手術をすることになり、しばらく農作業ができなくなった。

 

そこに市役所から融資担当の木村が、修造に融資した助成金の返済計画を聞きに来た。

 

修造は、融資を受けて、茶の有機栽培を始めていたのだった。

 

結論を出さずに、木村は一旦、引き揚げた。

 

仕方なくみのりは、茶畑の世話をする。

 

金ちゃんが、朝夕訪ねてきて、指導したり手伝ったりした。

 

内心では有機栽培に賛成している木村も、茶畑の世話を手伝うようになった。

 

そんなある日、茶に病気が発生した。

 

このままでは、周囲の茶畑にまで広がってしまう。

 

木村は農薬の使用を勧めるが、金ちゃんは、茶の力を信じようと言い、農薬使用に反対した。

 

雨の中でも3人は、手作業で病気の部分を摘み取っていった。

 

楽しい映画である。

 

ところどころに挟まれている、陣内孝則のコミカルな演技も、楽しい。

 

 

 

バラキ

チャールズ・ブロンソン主演、イタリア、フランス、アメリカ合作の映画である。

 

1962年。

 

マフィアの一員バラキは、アトランタの連邦刑務所に収監された。

 

シャワーを浴びている最中、彼は命を狙われた。

 

同じ刑務所内に、バラキのボス、ジェノヴェーゼも服役していた。

 

バラキの命を狙わせたのは、ジェノヴェーゼだった。

 

その後バラキは、軍の刑務所に移された。

 

そこでFBIのライアン捜査官に、マフィアの実態を語り始めた。

 

回想シーン。

 

1904年、バラキはイタリア移民の子として、ニューヨークで生まれた。

 

悪さをして刑務所に入れられ、後に仲間となるベンダー、ペトリッツらと出会う。

 

出所後バラキは、彼らに誘われてマランツァーノのファミリーに入った。

 

彼は、幹部であるレイナの運転手を務めた。

 

当時、マランツァーノは、マッセリア一家と抗争を繰り広げていた。

 

そんな中、レイナが自宅前で暗殺された。

 

その後、マッセリアの部下であるルチアーノとジェノヴェーゼは、マッセリアを射殺して、マランツァーノに付いた。

 

これでニューヨークに、マフィアの巨大組織が誕生した。

 

この映画は、実話に基づいている。

 

敵になったり味方になったり、また、いつ暗殺されるかもしれないという恐怖があったりで、スリルを楽しめる。

 

50歳のブロンソンが、回想シーンで20代を演じている。

 

これは、かなり無理がある。

海賊とよばれた男

岡田准一主演、日本の映画である。

 

終戦

 

焼け野原の中に、石油取引をしていた国岡商店のビル「国岡館」 は、無事、残っていた。

 

店主、国岡鐡造は社員を労った後、会社の存続と、1人もクビにしないことを宣言した。

 

鐡造は、ライバルだった石油配給統制会社、通称「石統」 へ、石油を融通してくれるよう頭を下げに行った。

 

しかし、石統の鳥川は、彼を冷たくあしらった。

 

1912年。

 

27歳の鐡造は、石油時代の到来を見越して、国岡商店を起業した。

 

しかし、袖の下を渡さない鐡造を、どこも相手にしてくれない。

 

ただ、スポンサーである木田老人は、「士魂商才」 を掲げる鐡造に、意気を感じて応援してくれた。

 

その後、鐡造は舟で軽油を売ることを思いつき、成功する。

 

陸では縄張りがあるが、海には線が引いてないというのが、鐡造の理屈だ。

 

その強引なやり方で、彼は海賊と呼ばれるようになった。

 

鐡造は兄の勧めで、ユキという女性と結婚した。

 

再び、戦後。

 

石油を仕入れることができない鐡造は、ラジオの修理を皮切りに、様々な仕事を請け負った。

 

出征していた社員たちが、続々と帰ってきた。

 

その頃GHQは、日本に石油を供給することを渋っていた。

 

旧海軍の貯蔵庫に残っている分を、先に使えと言う。

 

雨や泥が混ざった石油は、地下のタンクから簡単に取り出せるものではない。

 

石統の鳥川は、嫌がらせとして、鐡造にこの仕事を回した。

 

鐡造達は、バケツで石油をくみ出した。

 

1915年。

 

鐡造は、部下の長谷部を連れて満州へ行った。

 

そこで、マイナス20度以下でも凍らない潤滑油が必要だとの情報を得た。

 

新しい潤滑油を開発した鐡造は、満鉄に売り込みに出かけた。

 

この作品は、出光興産・出光佐三をモデルにしている。

 

時間が、行ったり来たりして、ややこしい。

 

原作の小説の方が、分かりやすくていい。

 

 

 

 

 

Fukushima50

佐藤浩市渡辺謙主演、日本の映画であ。

 

2011年3月11日、午後2時46分。

 

大きな揺れに襲われた東京電力福島第一発電所は、一時的に停電したが、非常用電源によって電力は復旧した。

 

1、2号機当直長の伊崎利夫は、損害の確認作業を急いだ。

 

そんな折、津波が到来して、再び電気が消えた。

 

非常用電源が、水没した。

 

電気が止まると、原子炉を冷却する水も止まる。

 

被爆の危険がある中、手作業でバルブを開けるしかない。

 

ベテラン所員たちによって、開けることはできた。

 

今度は、炉内の圧力が異常に上がってきた。

 

爆発を防ぐためには、内部のガスを放出するベントを行わなければならない。

 

一刻を争う中、突然、総理大臣が視察に行くと言い出した。

 

やってきた首相が帰るまで、ベントはできない。

 

この作品は、現場で必死の作業を続ける人たちと、遠く離れた東電本店で偉そうに命令している人、無能な首相と官邸が、見事に対比されている。

 

ただ、首相の管直人民主党の名前を出していないのが、気に入らない。

 

何を遠慮しているのか。

 

 

 

 

 

Love Letter

中山美穂主演、日本の映画である。

 

神戸。

 

山で遭難した藤井樹 ( 男性 ) の三回忌の法要が、行われた。

 

恋人だった渡辺博子は、まだ、彼を忘れられない。

 

彼女は法要の後、彼の実家に寄って、中学時代の卒業アルバムを見せてもらった。

 

彼は当時、小樽に住んでいたこと、卒業直前に引っ越したこと、住んでいた所は、今は国道になっていること等、彼の母親から聞かされた。

 

博子は、こっそり小樽の住所を書き写した。

 

彼女は、その住所に、彼に宛てた手紙を書いた。

 

小樽。

 

藤井樹 ( 女性 ) は、市立図書館で働いている。

 

彼女の元に、神戸の渡辺博子から手紙が届いた。

 

「お元気ですか、私は元気です。」 と、短い文面だった。

 

樹には、博子に心当たりが無い。

 

母も、知らないという。

 

しかし、なぜだか気になった樹は、元気だけど少し風邪をひいている、といった返事を書いた。

 

博子は、来るはずの無い返事が来たので、嬉しかった。

 

そして、友人の秋場茂に話してみた。

 

悪戯だと思って軽く見ていた秋葉は、その後も手紙のやり取りが繰り返されるので気になり、本物の藤井樹なら証拠を送れと、勝手に手紙を出した。

 

小樽の樹は、失礼な文面に腹を立てながらも、免許証の超拡大コピーを送った。

 

これで別人だとはっきりしたが、博子は秋場の勧めで、小樽に藤井樹を訪ねた。

 

折角来たのに、樹は留守で、博子はその場で手紙を書いて残してきた。

 

その後のやり取りで、二人の藤井樹は、中学三年間、同じクラスだと分かった。

 

博子は、自分の知らない藤井樹の中学時代の様子を、樹に書いて送ってもらう。

 

映像も、音楽も、主演の中山美穂 ( 藤井樹、渡辺博子の二役 ) も美しい。

 

中学時代の回想シーンも、心に響く。

 

ラストは、秀逸だ。

 

素晴らしい。

 

 

ラスト・ムービースター

バート・レイノルズ主演、アメリカの映画である。

 

かつての映画スター、ヴィック・エドワーズは、年老いて一人暮らしをしている。

 

一緒に暮らしてきた愛犬を亡くして、寂しい日々を送っていると、国際映画祭の招待状が届いた。

 

クリント・イーストウッド達も受賞したという、ナシュビル国際映画祭・特別功労賞だと書いてある。

 

迷った末、彼は行くことにした。

 

空港に行くと、予約されていたのは乗り慣れたファーストクラスではなく、エコノミーだった。

 

到着して迎えに来たのは、リルという若い女性で、リムジンではなく自家用車だった。

 

そして、リルの乱暴な運転で連れて行かれたのは、格安のホテルだ。

 

騙されたと思って怒るヴィックは、空港へ戻れという。

 

しかしリルは、大きな映画祭じゃないからと、ヴィックを会場に連れて行った。

 

そこは、小さなバーに過ぎず、彼は更に怒る。

 

しかし、会場は、彼の熱烈なファンで溢れていた。

 

主催者のダグとシェーンが彼に挨拶して、彼を誉め称え、また、みんなに写真を撮られて、ヴィックの機嫌も多少良くなった。

 

インタビューの後、小さなスクリーンで、彼の作品の上映が始まった。

 

あまり面白くない彼は、1人バーカウンターのところに来て、酒を飲み始めた。

 

そこに、恋人と喧嘩したリルが、入ってきた。

 

リルは、これは有名な「ナシュビル映画祭」 とは別物で、イーストウッドらも過去に招待したが、やってきたのはヴィックが初めてだと、内情を打ち明けた。

 

翌日ヴィックは、ホテルに迎えに来たリルに、彼の育った街ノックスビルへ連れて行ってもらう。

 

老いたバート・レイノルズも、いい。

 

流石に、名優だ。

 

若いリルとの絡みが、気持ちよく噛み合っている。

ザ・センチネル / 陰謀の星条旗

マイケル・ダグラスキーファー・サザーランド主演、アメリカの映画である。

 

ピート・ギャリソンは、優秀なシークレットサービスだ。

 

レーガン大統領狙撃事件で、身を呈して大統領を守った彼は、他のSS達から尊敬されていた。

 

女癖の悪い彼は、現在、バレンタイン大統領夫人のサラと、関係を持っている。

 

ある日、同僚のチャーリー・メリウエザーが、自宅前で射殺された。

 

ピートのかつての親友デイヴッド・ブレキンリッジが、この事件の捜査に当たった。

 

事件を聞いて現場に駆け付けたピートは、出くわしたデイヴッドに辛辣な言葉を浴びせられた。

 

デイヴィドは、ピートに妻を寝取られたと信じ込んでいるのだ。

 

ピートは、自分が使っているタレコミ屋から、犯人はSS内部にいるとの情報を得た。

 

それを聞いたデイヴッドは、全員を嘘発見器に掛けることにした。

 

そんな折、ピートのところに、大統領夫人との密会現場を撮影した写真が送られてきた。

 

ピートは、相手が指定する場所に出向くが、そこは、FBIが、別の捜査で張り込んでいる場所だった。

 

そのためピートは、関与が疑われた。

 

サラとの不倫を隠しているピートは、嘘発見器にも引っかかった。

 

デイヴッドは、ピートを逮捕するため彼の自宅にやってきた。

 

全体に緊張感があって、余所見ができない映画だ。

 

キーファー・サザーランドは、ジャック・バウワーの時と同じ演技をしている。