農林水産省官房企画官の大宮金次郎は、有給を使って全国の農家を巡っている。
「金ちゃん」 と慕われる彼は、農作業を手伝ったり、供に酒を酌み交わしたりしながら、現場の声を聞いていた。
金次郎は大分県臼杵市へ、農政局長として出向することになった。
会社を辞めた森川みのりは、デザイナーとしての仕事を探している時、友人が出している求人広告に目がとまった。
みのりの友人、栗原香苗は、大分で農業カフェを開いていた。
香苗のカフェを訪れたみのりは、夢を次々に実現させていく香苗が、羨ましかった。
その後みのりは、母の言いつけで、臼杵市で1人暮らしをしている祖父の修造を訪ねた。
晩御飯を御馳走になり、帰り支度をしていると、男が訪ねてきた。
「金ちゃん、久しぶり」 と、彼を見た祖父は大喜びだ。
酒盛りが始まった。
翌朝、金ちゃんと修造は祖母の墓参りに行き、そこで修造が倒れた。
修造は心臓の手術をすることになり、しばらく農作業ができなくなった。
そこに市役所から融資担当の木村が、修造に融資した助成金の返済計画を聞きに来た。
修造は、融資を受けて、茶の有機栽培を始めていたのだった。
結論を出さずに、木村は一旦、引き揚げた。
仕方なくみのりは、茶畑の世話をする。
金ちゃんが、朝夕訪ねてきて、指導したり手伝ったりした。
内心では有機栽培に賛成している木村も、茶畑の世話を手伝うようになった。
そんなある日、茶に病気が発生した。
このままでは、周囲の茶畑にまで広がってしまう。
木村は農薬の使用を勧めるが、金ちゃんは、茶の力を信じようと言い、農薬使用に反対した。
雨の中でも3人は、手作業で病気の部分を摘み取っていった。
楽しい映画である。
ところどころに挟まれている、陣内孝則のコミカルな演技も、楽しい。