2011年3月11日、午後2時46分。
大きな揺れに襲われた東京電力福島第一発電所は、一時的に停電したが、非常用電源によって電力は復旧した。
1、2号機当直長の伊崎利夫は、損害の確認作業を急いだ。
そんな折、津波が到来して、再び電気が消えた。
非常用電源が、水没した。
電気が止まると、原子炉を冷却する水も止まる。
被爆の危険がある中、手作業でバルブを開けるしかない。
ベテラン所員たちによって、開けることはできた。
今度は、炉内の圧力が異常に上がってきた。
爆発を防ぐためには、内部のガスを放出するベントを行わなければならない。
一刻を争う中、突然、総理大臣が視察に行くと言い出した。
やってきた首相が帰るまで、ベントはできない。
この作品は、現場で必死の作業を続ける人たちと、遠く離れた東電本店で偉そうに命令している人、無能な首相と官邸が、見事に対比されている。
ただ、首相の管直人や民主党の名前を出していないのが、気に入らない。
何を遠慮しているのか。