中山美穂主演、日本の映画である。
神戸。
山で遭難した藤井樹 ( 男性 ) の三回忌の法要が、行われた。
恋人だった渡辺博子は、まだ、彼を忘れられない。
彼女は法要の後、彼の実家に寄って、中学時代の卒業アルバムを見せてもらった。
彼は当時、小樽に住んでいたこと、卒業直前に引っ越したこと、住んでいた所は、今は国道になっていること等、彼の母親から聞かされた。
博子は、こっそり小樽の住所を書き写した。
彼女は、その住所に、彼に宛てた手紙を書いた。
小樽。
藤井樹 ( 女性 ) は、市立図書館で働いている。
彼女の元に、神戸の渡辺博子から手紙が届いた。
「お元気ですか、私は元気です。」 と、短い文面だった。
樹には、博子に心当たりが無い。
母も、知らないという。
しかし、なぜだか気になった樹は、元気だけど少し風邪をひいている、といった返事を書いた。
博子は、来るはずの無い返事が来たので、嬉しかった。
そして、友人の秋場茂に話してみた。
悪戯だと思って軽く見ていた秋葉は、その後も手紙のやり取りが繰り返されるので気になり、本物の藤井樹なら証拠を送れと、勝手に手紙を出した。
小樽の樹は、失礼な文面に腹を立てながらも、免許証の超拡大コピーを送った。
これで別人だとはっきりしたが、博子は秋場の勧めで、小樽に藤井樹を訪ねた。
折角来たのに、樹は留守で、博子はその場で手紙を書いて残してきた。
その後のやり取りで、二人の藤井樹は、中学三年間、同じクラスだと分かった。
博子は、自分の知らない藤井樹の中学時代の様子を、樹に書いて送ってもらう。
映像も、音楽も、主演の中山美穂 ( 藤井樹、渡辺博子の二役 ) も美しい。
中学時代の回想シーンも、心に響く。
ラストは、秀逸だ。
素晴らしい。