captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

摩天楼はバラ色に

マイケル・J・フォックス主演、アメリカの映画である。

 

都会での出世を夢見る青年ブラントリーは、カンザス州からニューヨークへやってきた。

 

就職が決まっていた会社を訪れると、企業買収に遭っていて、即日解雇に。

 

他の会社を訪問しても、採用されることはなかった。

 

仕方なく、遠縁の叔父を頼る。

 

叔父は大企業の社長をしていて、メール・ボーイとして雇ってもらう。

 

それは、最底辺の仕事であり、出世の望みは皆無だった。

 

ある日彼は、社長夫人をリムジンで家まで送り届けた。

 

そして、欲求不満の夫人と関係を結ぶ。

 

元気を取り戻した彼は、空き部屋を利用して重役になりすまし、経営に口を出すようになる。

 

メール・ボーイとしての立場を利用して、重要書類にアクセスし、社内事情が把握できた。

 

さらに、社長の愛人クリスティとも関係を結ぶ。

 

コメディタッチのサクセスストーリーだ。

 

バック・トゥ・ザ・フューチャー」がヒットして、あまり時間が経っていない頃の作品である。

 

彼には、キスシーンやベッドシーンは、似合わないと感じた。

 

カティンの森

ポーランドの映画である。

 

第二次世界大戦中、ソ連ポーランド軍将校達、一万数千人を虐殺した事件を描いている。

 

1939年、突如ドイツ軍がポーランドに侵攻した。

 

程なくしてソ連ポーランドに侵攻したが、独ソ不可侵条約が結ばれていて、両国でポーランドを分割占領することになった。

 

混乱の中、ポーランド軍大尉アンジェイの元に、妻と娘が会いに来た。

 

逃げるように促されたが、アンジェイ大尉は軍に忠誠を誓い、これから起きることをメモに残すと誓う。

 

その後、1943年に、ドイツ軍がソ連に侵攻した。

 

その時ドイツ軍は、カティンの森で、虐殺された大量のポーランド軍将校の遺体を発見した。

 

ドイツは、ソ連による犯罪だと発表し、遺体の身元が分かれば氏名を公表した。

 

戦後、ソ連は、「カティンの森の殺戮はドイツがやった」と、発表した。

 

ポーランドは、ソ連の衛星国となったために、忠誠を誓わなければならない。

 

ポーランド人は、ソ連がやったことが明白なのに、ソ連を非難できないのだ。

 

暫くして、アンジェイ大尉の妻アンナのところに、大尉が残したメモが届けられた。

 

そこには、事件の真相が書かれていた。

 

この映画は、実話を元にしている。

 

本の学校では、絶対に教えない。

 

日教組に洗脳されている教員達は、日本やドイツが悪の枢軸国であると子供達に教え込む。

 

ソ連中国共産党による虐殺については、何も教えない。

 

私も、この映画を観るまで、カティンの森事件について、何も知らなかった。

エンド・オブ・ア・ガン 沈黙の銃弾

スティーブン・セガール主演、アメリカの映画である。

 

主人公マイケル・デッカーは、合衆国麻薬取締局の元捜査官だ。

 

事件は、パリで起きた。

 

夜の駐車場で女性を助けたことがきっかけで銃撃戦になり、相手を射殺する。

 

リサと名乗る女性は、撃ち殺した男は麻薬の取引をしていて200万ユーロを車に隠してあると言う。

 

車は、事件の証拠と共に警察の保管場所にあった。

 

その夜マイケルは、警察に忍び込み、200万ユーロを盗み出した。

 

その後、麻薬組織との戦いである。

 

これまでの作品と同じく、彼は、圧倒的に強い。

 

相手の銃は一発も当たらず、格闘で、顔にパンチを食らうこともない。

 

だから、つまらない。

 

スタローンやシュワルツェネッガーに及ばないのは、負けを嫌うからだろう。

 

弱さを見せない限り、誰も思い入れしてくれない。

 

その点、ジャッキー・チェンは良くわかっている。

 

それはともかくとして、今回の作品は、しょぼい。

 

撃ち合いも、格闘も、いつもの半分もない。

 

予算が少なかったのだろうか。

 

彼も、年をとって太りすぎているし。

 

そろそろ、方向を変える時ではないか。

ゼロの焦点 ( 2009 )

松本清張原作、広末涼子主演の映画である。

 

結婚して間がない夫が、出張先から帰宅せず、失踪した。

 

妻は夫の出張先である金沢を訪れ、夫と関係のある人を訪ね歩く。

 

知らなかった夫の過去が、少しずつ分かってきた。

 

原作は有名な小説であり、過去に何度も映像化されているから、あらすじを覚えてしまっている人も多いだろう。

 

展開は、フラットである。

 

殺害シーンもあるが、派手なものではない。

 

退屈と言えば退屈な作品だ。

 

映画が原作を超えるのは、かなり難しい。

 

この作品も例に漏れず、小説の方が遙かに面白いと言える。

 

広末涼子の顔が、怖い。

 

 

愛を読む人

ケイト・ウインレット主演、ドイツ・アメリカ合作の映画である。

 

舞台は、第二次大戦後のドイツ。

 

ある雨の日、15歳の高校生マイケルは、帰宅途中で体調を崩して、とあるアパートの玄関に駆け込んだ。

 

そこの住民ハンナが丁度帰宅してきて彼を介抱し、自宅に送り届けてくれた。

 

やがてハンナは、20歳以上年下のマイケルと身体を合わせる。

 

マイケルは文学青年で、ハンナにいろいろな物語を読み聞かせた。

 

ハンナは、それが楽しみだった。

 

二人で、旅行にも出掛けた。

 

ある日、ハンナは仕事ぶりを評価されて事務職に格上げされることになった。

 

しかし、その日を境に、彼女は出て行ってしまう。

 

一夏の恋が終わったマイケルは、その後、大学に進学して法律を学ぶ。

 

ある日、ゼミの一環として、強制収容所裁判の傍聴に行った。

 

被告席にいたのは、数年ぶりに見るハンナだった。

 

戦争当時、彼女はアウシュビッツの手前にある強制収容所の看守をしていた。

 

多くの収容者を死に追いやったことが、罪に問われていた。

 

彼女は文盲であり、読み書きが出来ないことを強く恥じていた。

 

マイケルは、そのことを知っていて、それを証言すれば彼女の罪は軽くなる。

 

しかし、恥じていることも知っている。

 

マイケルの行動が、彼女の未来を左右するのだ。

 

この作品は、観終わった後味が悪い。

 

やりきれない気分にさせられる。

 

 

 

 

ゼロ・ダーク・サーティ

アメリカの映画である。

 

9.11テロから始まり、CIAがオサマ・ビン・ラディンを見つけ出し、殺害するまでをドキュメンタリータッチで描いている。

 

以前紹介した、「ネイビーシールズ・チーム6」と話の流れは同じだ。

 

ゼロ・ダーク・サーティ」は、オサマ・ビン・ラディンを見つけ出すまでの課程がメインとなっている。

 

捕まえたアルカイダの一人を拷問するシーンは、それほど過激な描写ではない。

 

それでも、アメリカ政府が「捕虜を虐待」したことになるので、問題視されたのだろう。

 

物語自体は、淡々と進んでいく。

 

爆破テロのシーンもあるが、痛みが伝わってこない。

 

人間ドラマみたいな要素もない。

 

親子の絆を描いているのでもない。

 

盛り上がりのない作品だ。

 

娯楽として観るなら、「ネイビーシールズ・チーム6」の方が面白い。

 

 

夕陽の群盗

アメリカの西部劇である。

 

1865年、北軍は兵士を補充するために若者を徴兵していた。

 

裕福な家庭のドリューは、西部へ逃げることにした。

 

兄を戦争でなくしていて、両親が逃がしたのだ。

 

ミズーリまで来て、そこからは幌馬車で行く予定だったが、そこで出逢った青年に襲われる。

 

ポケットの金を盗まれ、仕方なく牧師の家を訪ねた。

 

そこに、犯人の青年がやってきたのを見つけて、大暴れする。

 

牧師の奥さんが帰ってきて、仕方なく一緒に逃げることに。

 

ジェイクと名乗った青年は、窃盗グループのリーダーだった。

 

ドリューは、彼らと行動を共にするしかなかった。

 

盗んで集めた金を使って馬とロバを買い、西部へ向かう。

 

途中、ビッグ・ジョー率いる悪党一味に襲われ、命は助けてもらったが、有り金全部取られてしまった。

 

それでも、旅は続く。

 

これは、ドリューとジェイクの友情物語と言える。

 

騙したり騙されたり、殴り合ったり、脅したりしながらも、二人は離れられない。

 

危険な場所で生き抜くには、信頼していなくても、知っているだけでも一緒にいた方がマシ、ということなのだろう。

 

ドリューが大事にしている、兄の形見でもある懐中時計が、物語の鍵だ。