市川雷蔵主演、日本の時代劇映画である。
元禄7年江戸。
旗本の丹下典膳が、旗本知行所へ視察に向かう途中、必死の形相で駆けていく男とすれ違った。
男の襷が緩んでいた。
気になった典膳は、男の後を追った。
男の名前は中山安兵衛。
安高田馬場で、菅野六郎左衛門一族と村上庄左衛門一族が決闘をしていた。
安兵衛は、菅野の助太刀に来たのだ。
襷が解けて闘いづらくなった彼に、見物人から帯が投げ込まれた。
堀部弥兵衛が娘の帯を投げ込んだのだ。
元気づいた安兵衛は、相手を次々に斬り倒した。
追ってきた典膳は、知心流の同門村上兄弟がいたので助太刀すべきだったが、公儀を優先して立ち去った。
その後、道場にて、兄弟弟子を見捨てたとして糾弾された典膳は、仇である堀内一刀流の安兵衛への決闘を迫られたが、断った。
師匠は彼を破門した。
安兵衛も、迷惑をかけてはならないとして、堀内の道場から離れた。
師匠の堀内源太左衛門は、安兵衛に上杉家の仕官話を持ってきた。
腕の立つ彼は、引くて数多だ。
師匠に連れられ上杉家江戸家老千坂兵部の名代・長尾竜之進宅を訪れた安兵衛は、竜之進の妹・千春に一目惚れした。
しかし千春は、典膳と恋仲だった。
救い難い内容の物語だ。
後味が悪い。