堤真一主演、日本の映画である。
北関東新聞の悠木和雅は、ベテランになっても管理職に就かず、遊軍記者を貫いている。
彼は登山が趣味で、同僚の安西耿一郎と谷川岳に登る計画を立てていた。
安西と駅で待ち合わせをしていて、退社しようとした時、日航ジャンボ機がレーダーから消えたとの情報が入った。
乗客524人を乗せた日航123便が、長野と群馬の境あたりに墜落したらしい。
世界最大規模の航空機事故が、地元で起きたのだ。
編集局長の粕谷隆明は、悠木を紙面編集の全権デスクに任命した。
登山は中止である。
その頃、安西は商店街にいた。
悠木は社会部記者の佐山達哉と神沢周作を、現場に派遣した。
当時の北関東新聞社には古い体質が残っていて、記者は無線機を持たせてもらえなかった。
現場に行った記者は、取材の後、電話機のあるところまで戻って報告する。
佐山と神沢は、苦労の甲斐もなく、朝刊に載せてもらえなかった。
悠木と、社会部長の等々力庸平との間の確執のせいだった。
この作品は、実際に起きた事故に基づいている。
緊迫感のある物語のテンポが良く、約2時間半があっという間に過ぎる。
時々挿入される、現在の悠木が成長した安西の息子と谷川岳に登るシーンも印象的だ。