クリント・イーストウッド監督、主演、アメリカの映画である。
1950年代。
著名な監督ジョン・ウィルソンは、傲慢な性格ゆえ、成功しているのに借金が嵩んでいた。
プロデューサーのポール・ランダースは新作を促すが、ジョンの頭の中は像のことばかりだ。
友人の脚本家ピート・ヴェリルが、ジョンを訪ねてきた。
二人で、新作の脚本を考えた。
そして、次の作品はアフリカで撮影すると決めた。
ジョンは、撮影は二の次で、象狩りをしたかったのだ。
ジョンとピートは、ロケ隊に先駆けて、アフリカに飛んだ。
ウガンダのエンテベ空港で、マネージャーのラルフ・ロックハートが彼らを迎え、ホテルに案内した。
ラルフは、彼らの監視係であり、ブロデューサーのポールに報告するのだ。
その夜、ホテルのバーで、ジョンは魅力的な女性マーガレットを口説き始めた。
マーガレットが、ユダヤ人を批判し、差別発言を始めた。
同席していたピートが、自分もユダヤ人だと話したが、マーガレットは、構わず悪口を言い続けた。
静止するのも無視して罵り続けるマーガレットに、ジョンは「あなたは最低の女性だ」と、きつい一言を浴びせた。
マーガレットは、怒って立ち去った。
さらにジョンは、ホテルの白人支配人が黒人ウエイターを罵倒しているのに腹を立て、支配人と殴り合った。
結果、ボコボコに殴られたが、「正しいと思ったら戦うべきだ」と、満足そうに笑った。
傲慢な男だが、正義感は強いのだ。
この作品は、「アフリカの女王」の製作秘話みたいなものである。
ジョン・ウィルソンが魅力的で、感情移入しやすい。
雄大なアフリカの風景にも、象の迫力にも、満足できる。