郷ひろみ主演、日本の時代劇映画である。
笹野権三 ( ごんざ ) は、槍使いの名人であり、器量もいい。
「鑓の権三」と、子供たちの歌に歌われるほどの人気者だ。
太平の世が続き、武士は茶道に余念がない。
権三は、同輩・川側伴之丞の妹、お雪と縁談があったが、伴之丞は知らない。
二人は祝言をあげずにいる。
お雪は契りの証として、両家の家紋を縫い付けた帯を権三に贈った。
伴之丞は、茶の師匠、浅香市之進の妻・おさゐに横恋慕して、文を届けた。
市之進は、参勤交代の殿について江戸詰めである。
当然の如く、おさゐは拒否した。
江戸にいる殿に、世継ぎが誕生した。
藩では、近隣の一門を招待して、真の台子の茶の湯が開かれることになった。
真の台子は茶の極意であるが、それを伝承している市之進は江戸にいる。
その極意は一子相伝であり、他にできる者はいない。
そこで、真の台子の知識がある権三と伴之丞のどちらかが、大役を受けることになった。
権三は、浅香家を訪ね、おさゐに秘伝の巻物を見せてもらえぬか頼んだ。
おさゐは、「一子相伝のものゆえ、娘のお菊の婿になるならば」と、条件を出した。
権三は、それを受けた。
「やりのごんざ」という題名から、権三が槍で活躍する映画かと思ったが、道場での稽古シーンがあるだけだ。
槍を使っての死闘が無いので、肩すかしされた気分だ。