イギリス、ドイツ、ロシア合作の映画である。
貴族の家に生まれ、作家としても成功したレフ・トルストイは、家族と共に裕福に暮らしていた。
その彼が、ある日、財産も地位も手放して菜食主義の生活を送ると、宣言した。
トルストイの友人ウラジミール・チェルトコフは、トルストイ主義を広めるために「トルストイ協会」を設立した。
青年ワレンチン・ブルガコフは、トルストイの秘書となるために面接を受け、合格した。
ワレンチンに対してチェルトコフは、「レフの妻ソフィアに気を付けろ」と忠告した。
チェルトコフは、トルストイは著作権を放棄すべきだと主張していた。
しかし、妻ソフィアは大反対だ。
若い頃から下書きの清書をしてトルストイを支え、また、13人の子供を育ててきたソフィアには、財産を放棄することなど考えられなかった。
チェルトコフとソフィアは、対立した。
ソフィアは、深くトルストイを愛していた。
そんな彼女を理解する人はなく、子供たちでさえ敬遠していて、彼女は孤立していた。
この作品は、トルストイの晩年を秘書ワレンチンの目を通して描いたものだ。
映画を観れば、悪妻と言われているソフィアに対する認識が変わるだろう。