1980年。
テニス世界ランキング1位のビョルン・ボルグは、ウインブルドン4連覇中だ。
今年、5連覇がかかる彼は、調子が上がらないまま、プレッシャーに耐えている。
アメリカのジョン・マッケンローは、世界ランキング2位。
試合中に暴言を吐いてばかりで、悪童と呼ばれている。
ボルグは、子供の頃、しょっちゅうキレていた。
それで、出場停止処分を受けたこともある。
しかし、そんな少年に才能を見いだしたのが、コーチのレナート・ベルゲリンだった。
彼は、すぐキレるボルグの怒りや不安を、一球に込めることを教えた。
マッケンローは、子供の頃、親の顔をうがってばかりの大人しい少年だった。
テニスで認められるのが、嬉しかった。
ウインブルドン一回戦。
ボルグは、ノーシードの選手に苦戦した。
テレビで流れる試合を観ていたマッケンローの友人が、ボルグのルーティーンに拘った生活を揶揄する。
しかしマッケンローは、「何度も、彼のようになろうとした。」 と、答えるのだった。
そのマッケンローは、一回戦で、相変わらず暴言を吐きながら悪童ぶりを発揮した。
婚約者と2人、ホテルでテレビ観戦していたボルグは、批判するマリアナに「彼は、ああして精神を安定させているのだ。」 と、答えた。
ボルグは、マッケンローにかつての自分を見ていたのだ。
2人は順調に勝ち進み、決勝戦で対決する。
とても、見応えのある作品だ。
2人の現役時代を知っている人には、さらに思い入れがあるだろう。