イギリスのコメディ映画である。
ロンドン、キングスクロス駅近く。
夫に先立たれたウィルバーフォース老夫人は、三羽のオウムと暮らしていた。
彼女は、近くの警察署に行って話をするのが日課なのだが、警官達には疎まれている。
夫人は、空いている二階の部屋を貸し出す広告を出した。
ある日、マーカス教授と名乗る男が、部屋を見に来た。
彼は弦楽五重奏の楽団を持っていて、練習場所を探しているという。
夫人は、快く貸し出した。
翌日、教授と仲間たちがやって来た。
彼らは、部屋に入ってレコードを流し、銀行強盗の計画を話し始めた。
楽団ではなく、強盗団なのだ。
夫人がお茶を持ってくる度に話の中断を余儀なくされ、イライラが募るが、夫人を運び人に使うアイデアが、閃いた。
犯行当日。
彼らは、白昼堂々、現金輸送車を襲撃した。
強奪した金はトランクに入れ、キングスクロス駅に運び込み、何も知らずに荷物を受け取りに来たウィルバーフォース夫人に渡った。
途中でトラブルに遭いながらも、夫人はトランクを家に持ち帰った。
彼女は、知らないうちに、強盗の手伝いをさせられていたのだった。
長居は無用と、彼らが出ていこうとしたとき、トランクの蓋が突然開いて、夫人の前で札束が舞い散った。
丁度そのとき、夫人の友達が、お茶会をしに現われた。
その中の一人が持っていた新聞には、強盗の見出しが大きく出ていた。
感情移入はできないが、気楽に楽しめる作品だ。