スペインの映画である。
スペインの小さな村、聖マルセリーノ祭の日、一人の神父が貧しい病気の少女を見舞っていた。
神父は少女に、聖マルセリーノ祭について、奇跡の話を聞かせる。
かつて、戦争で荒れ果てたこの村に三人の神父が来た。
そして、村人の協力で修道院を建設した。
やがて12人の修道士が暮らすようになる。
ある日、玄関に赤子が捨てられていた。
その子は「マルセリーノ」 と名付けられ、すくすくと育つ。
5歳になった頃、たわいない悪戯をする元気な男の子に育っていた。
ただ、母親を知らず、同年代の遊び相手もいないことが、修道士達にとって気がかりだった。
マルセリーノは、やがて母親に思いを馳せるようになる。
そんなある日、彼は禁じられていた屋根裏に登ってみた。
そこには危険な男がいると言われていたのだが、はたして、その男は存在した。
慌てて梯子を降りて逃げたが、好奇心から、もう一度みてみる。
痩せた男が、じっと動かずにいた。
これは、磔になったキリスト像だ。
マルセリーノは、痩せた男性がお腹をすかしているだろうと、パンと葡萄酒を持っていく。
そして、キリストと交流するようになった。
幻想的な話だ。
世俗にまみれて汚れきった人は、こういう作品を観れば、心が洗われるだろう。
何も感じないようでは、もはや、救いようがない。