アメリカの映画である。
江戸時代初期の日本。
雲仙でキリスト教の神父達が、役人から拷問を受けていた。
棄教を迫られたが、彼らは受け入れることなく死んでいった。
棄教したフェレイラ神父が、キリスト教団圧の様子を手紙で本国に知らせてきた。
彼の弟子であるロドリゴ神父とガルペ神父は、彼が棄教したことが信じられなかった。
2人は、日本に旅立った。
彼らはマカオで、ポルトガル船に助けられたキチジローという日本人に出会った。
キチジローは切支丹だった。
2人の神父は、キチジローの手引きで、日本に密入国した。
彼らが訪れたトモギ村には司祭はおらず、「じいさま」 と呼ばれて尊敬されているイチゾウが、洗礼を施していた。
神父は、昼間は炭焼き小屋に潜み、夜、村に降りてきて信者と交流した。
しかしこの村には、フェレイラ神父を知る者はいなかった。
ある日、ロドリゴ神父は、キチジローの故郷・五島へ行くことになった。
そこにも多くの切支丹がおり、フェレイラ神父を知る者もいたが、現在の様子は分からなかった。
キチジローは、かつての切支丹狩りの時に、絵踏みをして生き延びたのだった。
しかし彼の家族は、踏み絵を踏むことができずに、彼の目の前で焼き殺された。
ロドリゴ神父が五島から戻ると、イチゾウが捕らえられていた。
奉行の井上は、「切支丹を差し出せ。差し出さねば、明日、人質を4人連れていく」 と言い残して去った。
翌日、殉教の覚悟を決めた3人とキチジローが、人質として差し出された。
連行される前に、4人とも踏み絵を踏む。
しかし、躊躇したとのことで、十字架に唾を吐きかけろと命じられた。
トモギ村の3人はそれができず、処刑された。
唾を吐いたキチジローは、釈放された。
この作品は、拷問や処刑のシーンが、夢に出てきそうなくらい残酷でリアルだ。
キリスト教が伝来して早い内に弾圧があった御陰で、日本は西洋列強の植民地にならずに済んだ。
それは、事実だ。