アメリカの映画である。
2001年9月11日、アメリカ同時多発テロの折りにハイジャックされた「ユナイテッド航空93便」を描いた、ノンフィクションだ。
この機は、唯一、テロリストの目標に達せず墜落した。
ホテルで祈りを捧げるテロリスト達。
時間が来て、出発する。
空港では、いつもの日常が繰り返されている。
官制棟も、いつも通りだ。
空港は混み合っており、ユナイテッド航空93便は、30分遅れで出発する。
その頃、アメリカン航空11便がハイジャックされた。
官制センターでは、入ってきた音声を分析し、「複数の機体がハイジャックされた」ことを突き止める。
高度を下げた11便がレーダーから消え、暫く後、世界貿易センタービルから、煙が上がる。
官制棟では、ニュース映像で、航空機、しかも大型の航空機が衝突したと確信する。
そして、2機目がもう一棟に突っ込んだ。
事件の連絡は、ユナイテッド航空93便のコックピットにも入る。
四人組のテロリスト達が、行動を開始した。
乗客の一人を刺殺し、コックピットに突入する。
パイロットを殺して、ハイジャックに成功した。
ここから先、乗客達の恐怖が、実にリアルに描かれている。
機内電話や携帯電話で、家族に最後の別れを告げるシーンは、実に切ない。
時折、軍の管制室のシーンが挟まれる。
戦闘機を出してハイジャックされた機体を撃墜させたい司令官と、軍上層部のやり取りだ。
ユナイテッド航空93便は、目標まで80キロ。
乗客の中には、協力してテロリストを制圧しようと言い出す者がいた。
賛同する者もいて、いよいよ、実行に移す。
まず、腹に爆弾を巻いたテロリストに襲いかかった。
この作品は、娯楽作品ではない。
観終わったあとは、心が重くなる。
乗客の一人になる可能性は、我々にもあるのだ。
そして、この機には、日本人の乗客も乗り合わせていたのである。