ブラッと・ピット主演、アメリカの映画である。
1945年4月、ドイツ戦線。
主人公ドン・コリアーは、米戦車シャーマンの車長だ。
これはドイツの戦車「ティガー」より、遙かに性能が劣っている。
それでもドンは、歴戦を生き残り、多くの功績を挙げていた。
彼は、自分の戦車を「フューリー」と名付けている。
ある戦闘で副操縦手が戦死したため、新人ノーマンが配属された。
彼はタイピストしての訓練を受けただけで、戦車を見るのも初めてだった。
そして最初の戦闘で敵を見かけたことを報告せず、味方に大きな損害が出た。
ドンはノーマンに、戦争というものを身を以て教える。
捕虜にしたドイツ兵を、力ずくで射殺させたのだ。
ドン達は、小さな街を制圧した。
次の作戦に向かう途中、ティガー戦車と出会う。
ティガーは1両、シャーマンは4両だが、ティガーの強さは圧倒的だ。
3両か破壊され、フューリーとティガーの一騎打ちとなる。
ドンは装甲の薄い背後に回り込み、何とか仕留めた。
フューリーの無線機が故障し、孤立してしまったドン達だが、作戦遂行のため「十字路」に向かう。
そこで地雷を踏んでしまい、キャタピラを破損した。
やがて300名からなるSSが行進してきて、戦闘になる。
この作品で、ドイツ軍のティガー戦車は、本物が使われている。
本物が持っている、重厚感、迫力が伝わってくる。
また、機関銃は弾筋を確認するために、数発ごとに曳光弾が入っているのだが、この作品で再現されていた。
映画では、SFの「エネルギー銃」みたいに感じるので、他では見かけない。
歩兵が、戦車の陰で飛んでくる銃弾を避けながら行軍する姿は、本物を彷彿とさせている。
銃弾が人体を貫通する時の血しぶきも、リアルだ。
何もかも、本物感を出している作品と言える。
若いタイピストが、一人前の兵士として成長していく話と捉えると、見方が変わってしまう。
これは、戦争を直視した作品として観るのがいい。