少年の成長を描いた、スウェーデンの映画である。
1958年、12歳のイングラムは、母と兄エルサの三人で暮らしていた。
父親は出稼ぎに行き、母は、結核を患っている。
悪戯好きの兄は、いつもイングラムをいじめていた。
辛いとき彼は、スプートニクに乗せられて宇宙で餓死したライカ犬よりマシだと、自分を慰めていた。
兄のいじめがエスカレートし、イングラムが失禁したこともあって、彼は叔父の家に預けられることになった。
叔父グンネルもその妻も、大歓迎してくれた。
イングラムも、のびのび暮らすことが出来、新しくできた友達とサッカーをしたりして過ごしている。
イングラムは、ある日、ボクシングをさせられた。
相手の子は強く、一発でダウンさせられた。
その子は、実は女の子で、名前をサガという。
イングラムは、一度実家に帰るが、また、叔父の家に預けられる。
帰っている間に、おじいさんが亡くなっていて、一階を他人に貸していた。
サガは、イングラムに恋をしていた。
また、別の女の子もイングラムを好いていて、彼は、その子の家に行く。
二人っきりになりかけた時、サガがやってきて、イングラムを連れ出そうとした。
サガの一言で、彼は突然、犬のように吠えながら、サガの足に噛みついた。
という具合に、大事件が起きるわけでもなく、日常が淡々と描かれている。
思春期の少年・少女の性の目覚めが、映画のあちこちにちりばめられていて、ちょっとドキドキさせられる。
サガが、胸のふくらみを打ち明けたり、イングラムがヌードデッサンを覗こうとしたり。
全体にほのぼのとした作品で、ラストもいい。