チャン・イーモウ監督、中国の映画である。
1940年代から物語は始まる。
時代に翻弄される、貧しい家族の物語だ。
主人公・福喜は、賭博の借金のかたに家を取り上げられてしまう。
父親は怒りで憤死し、母は病気にと、踏んだり蹴ったりだ。
影絵の巡業を始めたが、国民党に徴兵されて戦場へ。
大砲を引っ張る日々だ。
そこへ共産党軍が来て、殺されそうになるところを、何とか助けてもらい、影絵で慰問することになった。
戦争が終わり故郷へ帰ると、家族は相変わらず貧しくて苦しい生活をしていた。
そこへ、文化大革命である。
監視社会だ。
資本主義者のレッテルを貼られると、全てのものを取り上げられ、自身は拘束されてしまう。
この辺りの描写は、現実より、かなりソフトに描かれている。
それでも、生きにくい時代だっただろうということは、感じられる作品だ。
この後、悲喜こもごもの日々が続く。
日本の映画監督は、左翼思想の者が多いが、この映画を観ても共産党支配の国で幸せだと思うのだろうか。
まあ、支配者にとっては、理想的な社会だろう。
そんなことも考えさせられる映画である。