正式には
「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったのか」
という長い題名の作品である。
スタンリー・キューブリック監督、ピーター・セラーズ主演のブラックコメディーだ。
ピーター・セラーズは、元ナチスの博士と、イギリス空軍大佐と、アメリカ大統領の三役を演じている。
精神に異常を来した将軍が、核兵器を積んだBー52爆撃機に攻撃命令を出し、基地に立て籠もったところからはじまる。
目標はソ連だ。
ソ連は報復用の核爆弾を用意していて、しかもそれは攻撃を受けたら自動的に発射されるようになっている。
地球全体を放射能で覆うという、厄介な爆弾で、手動で止めることが出来ない。
登場人物は、皆、精神異常者や俗物である。
まるで、筒井康隆の小説みたいに、物語が展開していく。
キューブリックのファンには申し訳ないが、私には、筒井康隆の小説の方が面白い。
この映画の見どころは、「救いようがない」というところか。
現実に起こりそうな物語ではある。