坂東眞砂子原作の、ホラー映画である。
主演は、天海祐希。
主人公・美希は十代の頃に妊娠し、死産していた。
美希の相手は、幼い頃に養子に出された実の兄だった。
数年後、村に若い男性教師・晃が赴任してくる。
美希と晃は惹かれ合い、肉体関係を結ぶ。
そして、どういう訳か、美希は若返っていく。
美希の家系は、狗神筋と言われて、村人達から忌み嫌われていた。
美希が若返って行くにつれ、村人が変死するようになる。
この作品は、晃役の渡部哲朗がかっこいい。
人生を諦めた中年の独身女性を演じている天海祐希も、役に合っている。
ただ、結末も含めて、原作の方が面白い。
映画になると、映像が固定されるからだ。
殆どの場合、小説を読んだ時よりも、小さく、狭く、ショボクなる。
かつてのハリウッドのように、湯水のごとく資金をつぎ込めば、それなりのものが出来るのだろうけれど。
それはともかく、もっと凄惨に、もっとエロチックに、もっと冷酷に作れば良かったのに。