アメリカの映画である。
クリント・イーストウッド監督・主演の作品だ。
彼が、俳優生活の締めくくりとして選んだ物語は、「去りゆく老兵」の最も格好いいパターンである。
主人公は、引退した元自動車工で、妻を亡くした、頑固な老人である。
自分の会社で製造していた愛車「グラントリノ」が、彼の誇りであった。
限られた友人以外は寄せ付けない頑固老人が、車を盗みに来た少年と知り合い、家族とも仲良くなる。
少年を更生させ、一人前にすることに生き甲斐を感じ始めた時、自分が不治の病であることを知る。
そこに、ギャングがらみの事件が起き・・・。
クリント・イーストウッドが、この後、監督に専念する為に、最後の主演として気合いが入っている。
脚本が洗練されていて、引き込まれる。
彼の、それまでの主演映画からすれば、意外な結末で、戸惑う人がいるだろう。
しかし、こういうラストが、余韻を残すのだ。
この作品は、名作と言える。