captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

Uボート

ドイツの映画である。

 

正確には、西ドイツの映画だ。

 

第二次大戦中、一隻のドイツ潜水艦Uボートが、大西洋での任務に赴く。

 

敵護送船団を壊滅させ、帰路に就くが、新たな攻撃命令が出る。

 

ジブラルタル海峡を抜けて、地中海へ向かうのだ。

 

この作品は、潜水艦内の様子がリアルだ。

 

駆逐艦のソナーが響く艦内で、息をひそめて過ごすのは、見ているこちらも緊張する。

 

恐怖に耐えきれずに、発狂してしまう者もいる。

 

しかし、音を立てることは許されない。

 

これは、西ドイツが作った「反戦映画」だ。

 

戦争の虚しさを、これでもかと描いている。

 

そして、実に後味の悪い作品だ。

 

戦争の悲劇を描くのが目的だから、そうなるのかも知れないが。

 

「俺だったら、こんなラストにはしない」と、思った観客が沢山いただろう。

 

なんだか、勿体ない感じのする作品だ。

ローグ・アサシン

ジェット・リージェイソン・ステイサム主演、アメリカの映画である。

 

ジェット・リーが、マフィアのボス「ローグ」を、ジェイソン・ステイサムは、FBI捜査官ジョンを演じている。

 

ジョンが仲間のトムと一緒に、マフィアの抗争事件を捜査中、伝説のマフィア「ローグ」に出くわす。

 

しかし、取り逃がしてしまった。

 

暫くして、トムの一家が惨殺され、家が燃やされた。

 

ジョンは、ローグの仕業だと直感し、復讐を誓う。

 

この作品は、暴力に満ちている。

 

童顔のジェット・リーが、極めて残酷だ。

 

違和感で一杯になる。

 

ジェイソン・ステイサムも肉体派の俳優であり、多くの映画で格闘シーンを演じてはいる。

 

しかし、ジェット・リーの本物の格闘技と比べると、アクションが大げさすぎる感が否めない。

 

素人目には、派手で見栄えがするのだろうけど。

 

ジェット・リーは、重心が低く、体感がぶれず、攻撃が最短距離だ。

 

だから、地味である。

 

それはともかくとして、暴力シーンでスッキリしたい人には、もってこいの作品だ。

私の中のあなた

アメリカの映画である。

 

13歳のケイトは、幼い頃から白血病を患っていた。

 

兄も両親も白血球の型が合わなかったため、ケイトが2歳の時、受精卵の遺伝子操作で生まれたのが、妹のアナである。

 

いわゆる、「デザイナーベビー」だ。

 

アナは、幼い頃から姉のために血液や骨髄を提供し、その度に痛い思いをしてきた。

 

そのために、両親が作った子供なのだ。

 

アナが11歳の時、ケイトに腎臓を移植することになった。

 

が、アナは、これを拒否。

 

弁護士を雇い、訴訟を起こす。

 

法廷でのやりとりは、心に刺さる。

 

この映画は、家族というものを考えさせられる作品だ。

 

この姉妹の他に、疎外感を感じながら生きている兄、同じ白血病を患っているケイトのボーイフレンドが、作品を更に味わい深いものにしている。

 

母親役が、キャメロン・ディアス

 

この作品は、感情移入がしやすい。

 

少女のけなげな演技力のせいか、死と隣り合わせの日々を送っているという「サスペンス」のせいなのか。

 

感動せずにはいられない作品である。

 

家族で、是非、御覧になって頂きたい映画だ。

黒部の太陽

石原裕次郎三船敏郎、二大スターの共演である。

 

黒部川第四発電所建設で、最も困難な工区を担当した熊谷組の活躍を、実話を元に描いている。

 

地下水を多く含む「破砕帯」を掘り進むのは、困難の極みだった。

 

犠牲者も出る。

 

しかし、諦めるわけにはいかない。

 

現場にいるような臨場感がある作品だ。

 

この時代の邦画は、現代の邦画と比べて言葉 ( 台詞 ) が重い。

 

重いと言うより、必然性がある、無駄がないというべきか。

 

現代の邦画の言葉が、軽すぎるのかも知れないが。

ママの遺したラヴソング

スカーレット・ヨハンソン主演、アメリカの映画である。

 

長らく疎遠だった母の訃報を受け取った娘・パーシーが、久しぶりに実家に帰ってきた。

 

そこには、見知らぬ男2人が住みついていた。

 

2人とも、母と交遊のあった人で、1人は老いた大学教授ボビー、もう一人は若い作家の卵だった。

 

男2人が、遺言で住む権利が保障されていると言ったので、パーシーは、我慢しつつ共同生活を送る。

 

無教養のパーシーにとって、大学教授や作家の卵の言う言葉が、いちいちしゃくに障る。

 

それでも、1年暮らす内に、3人の間に絆ができた。

 

ここに、パーシーの元恋人が現れて、話がややこしくなる。

 

「男2人が嘘を吐いていて、ここに住む権利は、パーシーにしかない」と、元恋人がばらしたのだ。

 

頭にきたパーシーは、男2人を追い出して、家を売りに出してしまう。

 

この後、母が遺した手紙を見て、感動的なラストに向かうのだ。

 

スカーレット・ヨハンソンは、当時二十歳。

 

無教養で、はち切れた女性を上手く演じている。

 

大学教授は、髪を白髪にしたジョン・トラボルタだ。

 

「名言」が随所に出てくる。

 

その知識の有る無しで、味わいが変わる作品である。

ツインズ

アーノルド・シュワルツェネッガー主演の、コメディ映画である。

 

六人の優秀な男性の精液を混合し、優秀な女性に人工授精するという実験で生まれたのが、双子の兄弟ヴィンセントとジュリアスだ。

 

弟ジュリアスは、期待通り優秀な人間として生まれてきて、孤島で実験対象となっていた。

 

様々な知識を与えられ、超優秀な人間に育った。

 

兄のヴィンセントは、孤児院で成長した。

 

ちび、でぶ、禿げ、車を盗んで売りさばくダメ人間である。

 

この二人が再会し、母親を捜す旅に出る物語だ。

 

恋愛があったり、殺されかけたり、ハチャメチャな展開が楽しい。

 

シュワルツェネッガーは、ターミネーターコマンドーでのイメージを払拭させたかったのだろう。

 

いかつい身体で、くそまじめな人間をユーモラスに演じている。

 

正月休みには、こういった気楽な映画がいい。

ラストベガス

アメリカの映画である。

 

マイケル・ダグラスロバート・デ・ニーロモーガン・フリーマンといった一流俳優が出演しているコメディだ。

 

悪ガキ4人組は、年老いても親交が続いていた。

 

1人は妻に先立たれ、1人は軽い心筋梗塞 ( 脳梗塞だったか ) 、1人は精力減退。

 

そして、もう一人、ビリーは70歳にして結婚することになった。

 

相手は、20代の若い女性である。

 

結婚前夜パーティーを開くため、4人はラスベガスに集合した。

 

妻に先立たれたバディは、あまり乗り気ではない。

 

妻の葬儀に、ビリーが出席しなかったからだ。

 

しかし、ホテルで騒ぐ内に元気が出てくる。

 

この後、ハチャメチャな展開になるが。

 

最後は、心温まる作品になっている。

 

しかし、この程度の作品に大物俳優を3人も起用したら、ギャラだけで赤字にならないのかね。