ドイツの映画である。
正確には、西ドイツの映画だ。
第二次大戦中、一隻のドイツ潜水艦Uボートが、大西洋での任務に赴く。
敵護送船団を壊滅させ、帰路に就くが、新たな攻撃命令が出る。
ジブラルタル海峡を抜けて、地中海へ向かうのだ。
この作品は、潜水艦内の様子がリアルだ。
敵駆逐艦のソナーが響く艦内で、息をひそめて過ごすのは、見ているこちらも緊張する。
恐怖に耐えきれずに、発狂してしまう者もいる。
しかし、音を立てることは許されない。
これは、西ドイツが作った「反戦映画」だ。
戦争の虚しさを、これでもかと描いている。
そして、実に後味の悪い作品だ。
戦争の悲劇を描くのが目的だから、そうなるのかも知れないが。
「俺だったら、こんなラストにはしない」と、思った観客が沢山いただろう。
なんだか、勿体ない感じのする作品だ。