captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

愛は静けさの中に

アメリカの映画である。

 

田舎町の聾唖学校に、青年が教師として赴任してきた。

 

彼は、手話だけでなく発声練習をさせ、生徒達の評判もよかった。

 

ある日、手話で喧嘩している女性を見かける。

 

彼女は、この学校の卒業者で、事務員として働いていた。

 

美しさに惹かれた彼は、彼女にアプローチするが、彼女は心を閉ざしていた。

 

彼は、彼女の母親に会いに行き、過去を聞いてショックを受ける。

 

それでも、愛していることに変わりなく、彼女に告白した。

 

この後、波乱が待っている。

 

主演女優は、マーリー・マリトン。

 

彼女は、役柄と同じハンディを持っている。

 

だから、演技が自然で、違和感がない。

 

健常者には理屈でしか解らない、ハンディキャップを持つ者の苦しみが、演技のバックボーンとなっている。

 

あらためて思うに、主演の彼女に言葉の台詞がないのである。

 

表情と仕草、そして手話だけで、自己表現をしているのだ。

 

声の大きさ、台詞の抑揚、遅速などが使えないのに、ここまでやれるのかと思うと、感動ものである。

 

 

パニック・トレイン

イギリスの映画である。

 

男が列車を乗っ取り、暴走させる話だ。

 

夜、ロンドンから郊外へ向けて列車が出発した。

 

主人公は医師で、七歳の息子を連れている。

 

乗客が、粗方降りてしまってから、事件は起きた。

 

途中で停止しため、不審に思った医師が窓の外を覗くと、線路脇に人がうずくまっていた。

 

発車する列車。

 

彼は、車掌を呼びに行くが、見当たらない。

 

居合わせた学者と口論している間に、彼が降りるはずの駅を通り過ごした。

 

乗っ取られていたのである。

 

列車は、ますます加速する。

 

乗っている乗客は、彼ら親子を含めて六人。

 

非常ブレーキは切られていた。

 

最後部の車掌室に入り、手動ブレーキを掛けるが、焼き切れてしまう。

 

暴走する列車は、踏切で車をはね飛ばし、そのショックで、乗り合わせた老婦人が心停止してしまう。

 

彼らは、運転席をこじ開けようとするが、扉の前に車掌の死体があった。

 

列車は、時速160キロで疾走し、このまま終着駅に突っ込むのか。

 

犯人は、犯行前に数秒、映像が映る。

 

その後は、運転席で「手先」だけの映像だ。

 

この演出は、不気味さを醸し出していて、面白い。

あるいは裏切りという名の犬

フランスの映画である。

 

実際にあった事件をモデルにした、刑事物だ。

 

長官候補になっている二人は、旧知であり、一人の女性を争い、片方と結婚した。

 

いらい、ライバルである。

 

そこに、凶悪事件が発生し、それぞれが率いるチームが、協力して解決する、はずだった。

 

派手な銃撃戦で、仲間を失いつつも、犯人達の逮捕には成功する。

 

ところが主人公が、密告で逮捕され、さらに彼の妻が殺される。

 

その犯人は、主人公が逮捕され自分は長官に上り詰めた、旧知のライバルだった。

 

数年後、出所した主人公は、真実を知り復讐に打って出る。

 

全体に、重くて暗い雰囲気の作品だ。

 

パリが、稚内より北にあるということ以上に、暗い。

 

この作品で批判されるのは、邦題だろう。

 

裏切りという名の犬は、主人公のライバルを指している。

 

日本語では、人を軽蔑して「奴は、幕府の犬だ」などと言う。

 

しかし、元々仲の悪い二人なので「裏切り」とまではいえない。

 

ただ、パリ警視庁の所在地を知っている日本人は殆どいない。

 

原題の直訳や、最近流行りである「カタカナ表記にしただけ」では、何の映画化分からない。

 

もちろん、この邦題を見ただけで、刑事物だとは分からないが。

太陽と月に背いて

レオナルド・ディカプリオ主演、イギリスの映画である。

 

天才詩人ランボーと、彼を世に送り出したと言えるヴェルレーヌの出会いと別れを描いた秀作である。

 

ヴェルレーヌは、送られてきた詩に感激して、作者をパリに呼び寄せた。

 

会って、その若さに驚いた。

 

ランボーは、まだ、16歳だったのだ。

 

自宅に招き、同居することになるが、繊細で美しいのは「詩」だけ。

 

ランボーは、粗野で、言葉遣いも荒く、盗癖さえあった。

 

気の弱いヴェルレーヌは、酒の力を借り酔った勢いで、不平を言う妻を怒鳴りつける。

 

しかし、とうとうランボーは追い出され、ヴェルレーヌは家出して追いかける。

 

愛し合っていた二人は、同棲することになった。

 

幸せな日々は、長くは続かない。

 

ヴェルレーヌは、同性愛の罪で服役することになる。

 

この作品では、ディカプリオの美しさが目を惹く。

 

元々童顔ではあるが、当時20歳とは思えないくらい、美少年である。

 

ヴェルレーヌも世界的な有名詩人であるのだから、もう少し良いところを表現してもらいたかった。

 

そういう作品だ。

タキシード

ジャッキー・チェン主演、アメリカのアクション映画である。

 

主人公は、タクシー運転手。

 

トラブルに巻き込まれたことがきっかけで、大富豪の専属運転手として雇われた。

 

ある日、大富豪を乗せている時、スケボー爆弾で攻撃され、大富豪は重症を負った。

 

大富豪は、気を失う直前にヒントを告げるか、英語が苦手な主人公は勘違いしてしまう。

 

屋敷に帰った彼は、触るなと言われていた「禁断のタキシード」に袖を通してしまった。

 

それは、ダンスが上手くなったり、格闘技が強くなったりする「モビルスーツ」みたいなものだったのだ。

 

これを来て、殺人ウイルスをまき散らそうとする悪者組織と戦うことになる。

 

ジャッキーの作品は、随所にお笑いがちりばめられている。

 

スリルや暴力だけでないのが、彼と彼の作品の魅力だ。

 

そして、物語の展開が速い。

 

最後まで、飽きさせないし、がっかりさせることがない。

 

この映画も、その中の一つである。

ポンペイ

アメリカの映画である。

 

ヴェスヴィオ山の噴火で、滅び行くポンペイが舞台だ。

 

主人公は、ケルト民族の生き残り。

 

子供の頃、ローマ帝国軍に一族が蹂躙され、一人生き延び、拳闘士となった。

 

田舎の街では圧倒的に強く、都会であるポンペイに連れてこられ、チャンピオンと戦うことになる。

 

ここに、女性との出会いが絡んでくる。

 

その女性はポンペイの有力者の娘で、ローマに遊学していたのだが、しつこい元老員から逃れて、故郷ポンペイに帰ってきた。

 

その元老員が、皇帝の大使として、娘を追ってポンペイにやってきた。

 

しかも彼は、主人公の家族達を殺した仇なのだった。

 

闘技の日、ヴェスヴィオ山が、噴火する。

 

なんとも、中途半端な作品である。

 

主人公は、拳闘士の身体ではない。

 

ましてや、最強の拳闘士というには、違和感が大きすぎる。

 

この映画は、拳闘のシーンを見せたいのか、滅び行くポンペイの惨劇を見せたいのか、復讐を果たす正義なのか。

 

さらに、闘技場や街並みに資金を遣いすぎたのか、CGがショボ過ぎた。

 

残念な作品である。

大襲撃

アメリカの西部劇である。

 

白人が契約を破って鉱山開発に来たため、インディアンは居留地を出て行く。

 

騎兵隊との戦いの中で、和睦し、居留地に戻るが。

 

街の白人達は、金欲しさに、約束を破り鉱山開発を再開する。

 

さらに、居留地管理人を殺害し、インディアンに濡れ衣を着せた。

 

騎兵隊とインディアンの戦いが始まった。

 

この作品は、わりとインディアンを好意的に描いている。

 

それでも、命を軽く扱っていることに変わりはない。