長谷川一夫主演、日本の時代劇映画である。
雨の中、島流しにあっていた男が二人、脱獄した。
翌朝、江戸で土左衛門が見つかった。
死体は医師の宗庵で、背中に蜘蛛の刺青があり、懐から東海道五十三次の浮世絵が見つかった。
話を聞いた平次は、3年前に捕まえた松五郎と新吉を思い出した。
江戸大火の折に、材木問屋上総屋善兵衛、呉服問屋尾張屋伝右衛門らが材木を買い占めて、巨万の富を得た。
この時、捜査に当たった平次は、手先だった松五郎と新吉しか捕まえることができなかったのだった。
上総から、若い焼物職人の新次郎が、江戸にやってきた。
茶屋で休憩しようとした彼は、一人寂しそうに佇んでいる女性を見つけて、話しかけた。
彼女はお絹と名乗り、奉公先から逃げたいという。
新次郎は、お絹を連れて出発した。
街は祭りの最中で、二人が泊まれる旅籠がなかった。
仕方なく新次郎は、お絹が荷物部屋に泊めてもらえる様にして、自分は焼き物の取引先である尾張屋へ出向いた。
材木買い占めの一味だった伊勢谷久助が殺された。
死体から、例の浮世絵が見つかった。
尾張屋に泊めてもらった新次郎が、翌朝お絹を迎えに行くと、姿がなかった。
それどころか、泊まった形跡もなく、誰もお絹を知らないという。
新次郎が書いたはずの宿帳にも、名前はなかった。
この作品は、シリーズ10作目でカラーである。
ミステリーに仕立てられている。