1235年、フィラッハの街では、多くの罪のない女性たちが魔女の濡れ衣を着せられ、処刑されていた。
彼女らは、絞首刑の上、川に沈めて溺死させられるのだ。
夜、神父が一人で溺死体を引き上げて、「ソロモンの書」による祈祷で魔女の復活を阻止していた。
その時、一人の女性が生き返り、神父は川に落ちた。
ソロモンの書は燃え上がった。
100年後。
十字軍が、異教徒を撃破しながら、快進撃を続けていた。
騎士のベルメンとフィルソンは、一際、目立った活躍をしていた。
1344年、スミルナ攻略戦。
市街地に入った十字軍は、女子供を見境なく虐殺した。
それに嫌気がさしたベルメンは、信仰を捨て、フィルソンと共に部隊を去った。
1ヶ月後、二人は故郷のスティリアに戻った。
そこでは、黒死病が流行っていて、多くが死んでいた。
馬で町を出ようとした彼らは、持っていた剣の紋章を目撃され、身元がバレた。
彼らは、脱走兵として捕らえられたが、デベルザック神父によりダウングロワーズ枢機卿の元に連れて行かれた。
二人が高名な騎士であることを知っている枢機卿は、捕らえている「黒い魔女」をセヴラック修道院まで護送するよう頼んだ。
セヴラックには「ソロモンの書」の最後の一冊があり、その力で魔女を封印できるのだ。
しかし、教会のやり方が気に入らないベルメンは依頼を断り、フェルソンと共に牢に入れられた。
向かいの牢に、黒い魔女が囚われていた。
彼女は、かつてベルメンが殺した女にそっくりだった。
ベルメンは、女に公平な裁判を受けさせることを条件に、護送の任務を引き受けた。
彼らは、捕らえられていた詐欺師のハガマーを、釈放させて案内人とした。
彼は、セブラックへの道を知っていた。
ベルメン、フェルソン、デベルザック神父、そして騎士のエッカートが、魔女を護送して出発した。
中世ヨーロッパの暗い感じが、うまく表現されている。