日本のアニメーション映画である。
龍に守られた「龍の国」は、隣国セルバナーダと戦争をしていた。
龍は、契約を交わした国を、その圧倒的な力で守ってくれる。
ただ、龍には弱点があった。
歯だ。
龍の歯を守る「龍の歯医者」が、口内を常に清潔に保っている。
龍の歯医者は、発生した虫歯菌を駆除しているのだ。
ある日、龍の歯医者である15歳の少女、岸井野ノ子は、歯の上で倒れている少年を見つけた。
野ノ子は咄嗟に少年を助けたのだが、少年は、龍の歯の上で生き返った「黄泉返り」だった。
「黄泉返り」が発生するのは良くないことの前兆だと、龍の歯医者たちは恐れた。
少年の意識が戻った。
彼の名は、ベルナール・オクタビアス。
ベルはセルベナーダの少年兵だったが、死んでここに蘇ったのだった。
彼は、歯医者のリーダー、悟堂ヨ世夫のはからいで、軍部に引き渡されることなく、龍の歯医者になった。
野ノ子が、ベルの指導に当たって、歯医者の仕事を教えた。
ある日、歯から人を食べる「天狗虫」が出現した。
天狗虫は、悟堂やベテランの夏目柴名らも圧倒されてしまう強さだ。
仲間の佐藤修三が犠牲になって、天狗虫の駆除に成功した。
修三は歯の中に取り込まれ、仲間たちは献杯した。
龍の歯医者たちは、皆、自分の死期を知っている。
しかし、その日が近づいても、誰も打ち明けることなく死んでいく。
そのことを、歯医者たちは受け入れているが、ベルには納得できないことだった。
悟堂は、龍の歯に天狗虫が仕込まれていた証拠を、発見した。
この作品は、背景を理解していないと、入っていけない。
舞台は架空の国だが、日露戦争の雰囲気がある。
しかし、登場する戦艦は「長門」に似ている。
兵士がリボルバーを持っているのも、違和感がある。
悟堂の吹き替えをしている山寺宏一は、やっぱり上手い。