イギリス、アメリカ、フランス、オランダ合作の映画である。
第二次大戦、フランスの港町ダンケルク。
ドイツ軍に追われダンケルクの浜辺まで逃げてきた連合軍兵士達の、救出作戦を3つの方向から描いている。
1つは、浜辺に逃げてきた兵士の一週間。
フランス兵トミーは、仲間が全滅し、一人で何とかダンケルクの浜辺まで逃げてきた。
そこには救助を待つイギリス兵が四十万人もいて、フランス人の彼が救助船に乗り込む余地は無かった。
しかし、イギリスの軍服を着たギブソンと共に、負傷兵を手当てしながら救助船に潜り込み、出発した。
程なくしてドイツ軍の攻撃を受け、船は沈没する。
救命ボートに乗り込んだ将校達が、先に逃げてしまい、トミーとギブソンは再びダンケルクに泳ぎ着いた。
そこで、オランダの救助船に乗り込むことが出来たが、これもまた、出港してまもなくドイツ軍の攻撃を受けて沈没する。
二つ目の視点は、救助に向かう民間船ムーンストーン号の一日である。
船長のミスター・ドーソンは、息子のピーター、その友人ジョージを連れてダンケルクに向かっていた。
途中、救命ボートに乗る一人の将校を救助する。
かれは、トミー達を見捨てた将校の達の、たった一人の生き残りだった。
将校は、ダンケルクへ向かうことに抵抗し、ジョージに大怪我を負わせる。
上空を、三機のスピットファイアがダンケルクに向かって飛んでいった。
ムーンストーン号は、その後、不時着したスピットファイアから、若い兵士コリンズを救助した。
そして、戦火のダンケルクに突入していく。
三つ目の視点は、スピットファィアの1時間だ。
スピットファイアは、ドイツ軍と激しい戦闘で、隊長機が撃墜されてしまう。
燃料計が故障したファリア機は、コリンズ機の燃料系を頼りに進撃する。
しかし、次の戦闘でコリンズは不時着。
ファリアは、単独でダンケルクに向かった。
後半は、この3つの物語が重なってくる。
見応えのある作品だ。
戦争の勝ち負けではなく、救出作戦が成功するか否かを描いた作品だけに、手に汗握るシーンが多い。
逃げても殺されるのが戦争だし、逃げるだけで抵抗できない敵を殺さねばならないのも戦争なのだ。
考えさせられる映画である。