captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

恋愛睡眠のすすめ

フランス・イタリア合作の映画である。

 

ステファンは、父親が病気で亡くなったので、母がいるパリに帰郷した。

 

少年の頃住んでいたアパートには、当時の大家さんが健在で、彼の部屋がそのまま残っていた。

 

ステファンは、窮屈なベッドで寝る羽目になる。

 

彼は、母の紹介で、カレンダー会社に就職した。

 

ある日、帰宅すると隣に引っ越してきた人がいて、荷物のピアノが落下しそうになった。

 

ステファンが手を差し伸べ、何とか助かる。

 

そこには、二人の女性がいた。

 

引っ越してきたのがステファニー、もう一人は手伝いに来た友人ゾーイだ。

 

ステファンは、気さくなゾーイが好きになる。

 

翌日、ゾーイに会うために部屋に行くと、ステファニーしかいなかった。

 

彼女は、夢見がちな女性で、それは、ステファンも同じだった。

 

妄想癖、といっても良いくらいだ。

 

ステファンは、無意識のうちにステファニーに惹かれていき、夢の中でプロポーズした。

 

この映画は、夢とというか妄想と現実を行き来して、観ている側も勘違いする場面がある。

 

それはそれで、楽しめる。

 

夢の世界は、段ボールやフェルトで作られていて、ファンタジックだ。

 

少年から青年の頃は、誰でも、こんな風に妄想する。

 

自分の心を暴かれているみたいな、そんな気分にもなる作品だ。

ロジャー・ラビット

アメリカの映画である。

 

実写にアニメを組み合わせている。

 

映画界のスターであるロジャー・ラビットは、このところ精彩がない。

 

妻のジェシカが浮気しているようで、気持ちがそちらへ行ってしまっているのだ。

 

社長のマルーンは、ジェシカはオーナーのマービン・アクメと浮気していると考え、探偵のエディに調査を依頼した。

 

エディは弟を亡くしてから、酒浸りの日々だ。

 

乗り気ではなかったが、酒代が払えなくなってきたので、仕方なく引き受ける。

 

そして、ジェシカとアクメが密会している現場を写真に撮った。

 

それをロジャーに見せたが、彼は、妻の浮気が信じられなかった。

 

エディが帰宅して、自宅で寝ていると警察が来た。

 

アクメが殺されたのだ。

 

アクメは、頭上に金庫を落とされていた。

 

これは、アニメキャラクターが住むトゥーンタウンでの、常套手段だった。

 

そして、エディの弟もトゥーンタウンで、同じようにして殺されたのだった。

 

現場には、ドゥーム判事が来ていた。

 

ドゥームは、トゥーン達を溶かす「ディップ」という溶解液を発明していた。

 

これで、不死身のトゥーンを処刑できる。

 

ドゥームは、容疑者であるロジャーを捕まえて、死刑に処すつもりだ。

 

内容は重いが、楽しい作品である。

 

人間とアニメーションキャラクターが上手く融合していて、全く違和感がない。

 

ミッキーやドナルドなど、有名キャラクターが沢山出てくるのは、実に贅沢だ。

老人と海

アメリカの映画である。

 

ヘミングウェイの原作を、忠実に映画化している。

 

不漁続きだったある日、老人は巨大なカジキを捕った。

 

三日がかりの格闘の末、かなり沖の方まで引っ張れたが、ついに老人は巨大カジキを釣り上げた。

 

そのカジキを、船に縛り付けて戻る途中、血の臭いを嗅ぎつけた鮫に襲われる。

 

今度は、鮫との格闘だ。

 

原作は有名な小説なので、多くの人が読んでいるだろう。

 

映画にするのは、かなり勇気が要ったと思う。

 

鮫との格闘は、迫力がある。

 

苦労して痙った獲物を、鮫が容赦なく横取りに来るのは、人生を暗示しているのかも知れない。

 

ナレーションが多いのは、登場人物が少ないから仕方がないが、やや、煩わしい。

ワイアット・アープ

ケビン・コスナー主演、アメリカの西部劇である。

 

ワイアット・アープの波乱の人生を描いた伝記だ。

 

弁護士で農場主のニコラス・アープ。

 

その三男が、主人公ワイアットだ。

 

ワイアットは、父の教えを守り、勇敢で正義感の強い青年に育った。

 

父のような法律家になる勉強をしていたが、結婚したばかりの妻を病気で亡くし、自暴自棄になってしまう。

 

酒におぼれ、馬泥棒を働き、牢屋にぶち込まれる始末だ。

 

縛り首を覚悟していたが、父ニコラスが来て、逃がしてもらう。

 

その後、バッファローハンターとして生活し、さらに、兄の酒場を手伝うためにウィチタへ移った。

 

そこで暴漢の扱いを評価されて、保安官になる。

 

暫くして、治安の悪いダッヂシティの保安官としてスカウトされた。

 

しかし、荒っぽい取締ゆえ、保安官をやめさせられてしまう。

 

その後、ウィチタに戻り、新たに出来た仲間達と大家族の生活を送る。

 

鉱山開発を始めたが、軌道に乗るまで保安官として働いていた。

 

そして、クラントン兄弟との争いが始まる。

 

「OK牧場の決闘」へ、繋がっていく。

 

映画は、その後も描かれている。

 

ただひたすら、長い。

 

途中、居眠りして目覚めても、まだ続いている映画だ。

 

クライマックスがどこなのか。

 

だらだらと、単なる伝記的映画で終わっている。

 

 

 

 

アイ・アム・デビッド

アメリカの映画である。

 

第二次大戦後のブルガリア

 

少年デビッドは、収容所で強制労働をさせられていた。

 

家族とは引き離され、自分の名前がデビッドであること以外、何も分からない。

 

そんな幼いデビッドを、ヨハンは父のように守っていた。

 

デビッドが12歳になったある日、彼が犯した些細な罪を被って、ヨハンが殺された。

 

ヨハンから生きることの大切さを聞かされていたデビッドは、悲しみに耐え、生きる決意をする。

 

暫くして、収容所の関係者から封筒を渡され、秘密裏に脱出させてもらった。

 

デンマークに行けと言われた彼は、国境を越えて、目立たないように旅を続けた。

 

ギリシャからイタリアへ渡ったある日、1人の少女に出会い、家族の暖かさを知る。

 

そして、封筒を開けてみた。

 

そこには、幼い頃の自分と一緒に写っている、美しい女性の写真が貼られた身分証明書が入っていた。

 

デビッドは、会わねばならない気がして、そっと、少女の家を抜け出し、旅を続けた。

 

次に出会ったソフィーという老婆は、わけありげなデビッドをスイスの自宅に連れて行った。

 

デビッドは、店先にある一冊の本を目にした。

 

その本は、収容所で夫と息子を亡くした女性の体験談で、著者の写真が、あの身分証明書に写っていた女生と同じ人だった。

 

デビッドは、デンマークへ向かう。

 

素直に感動できる作品だ。

 

けなげなデビッドに、感情移入してしまう。

 

 

 

 

赤い靴

イギリスの映画である。

 

ロンドン。

 

ボリス・レルモントフのバレエ団が、公演を行なった。

 

パルマー教授の教え子ジュリアン・クラスターは、公演を見て、自分の楽曲が教授に盗まれたことを知り、ショックを受けた。

 

公演終了後、伯爵家でパーティーが開かれた。

 

レルモントフは、バレエに情熱を燃やす少女、ヴィクトリアに出会い、彼女をバレエ団に雇い入れた。

 

また、ジュリアンの才能を見抜き、彼もスカウトした。

 

当初、芽が出なかったヴィクトリアだが、「白鳥の湖」で主役を務めて頭角を現した。

 

次の公演は、アンデルセン童話「赤い靴」をモチーフとした作品だ。

 

ジュリアンは、作曲を任される。

 

ある日、バレエ団のプリマドンナ、イリーナ・ボロスカヤが婚約を発表した。

 

愛に対して否定的なレルモントフは、彼女を解雇する。

 

そして、ヴィクトリアが主役を演じることになった。

 

公演は大成功し、ヴィクトリアは一流のダンサーとして名を上げていく。

 

しかし、ヴィクトリアとジュリアンが恋仲であることを知ったレルモントフは、ジュリアンを解雇した。

 

ヴィクトリアは、ジュリアンを追って退団してしまう。

 

一転して物語は、悲劇の様相を帯びてくるのだった。

 

この映画は、丁寧に作られている。

 

バレエのシーンは、本物だ。

 

 

伊賀忍法帖

真田広之主演、日本の映画である。

 

相手役、渡辺典子のデビュー作だ。

 

伊賀忍者の笛吹城太郎は、遊女・篝火 ( かがりび ) と出逢い、駆け落ちした。

 

伊賀に戻って二人の中を認めてもらう旅の途中、根来僧達に襲われる。

 

城太郎は瀕死の重傷を負い、篝火は拉致された。

 

松永弾正は、人妻・右京太夫に横恋慕し、手に入れようと画策していた。

 

そこに呼び出されたのが、妖術使い・果心居士である。

 

果心居士は、七人の根来僧に女性を犯させ、愛液を集めることで、媚薬を作るのだ。

 

美人の篝火は、最後の一人として拉致されたのだった。

 

しかし、篝火は犯される前に自殺する。

 

松永弾正は、篝火が右京太夫にそっくりであることに気づいた。

 

そして、忍法を使って篝火の顔を持つ女を蘇らせた。

 

一方、意識が戻った城太郎は、あてもなく篝火を探し求める。

 

そこへ、篝火を蘇らせるために犠牲になった女が来た。

 

事の次第を聞いた城太郎は、復讐に向かう。

 

ぶっ飛んだ映画である。

 

初っぱなからレイプシーンがあり、気分が悪くなる人もいるだろう。

 

「渡辺典子が犯される」シーンは、なんだかリアルで、やるせなかった。

 

若い真田広之のアクションは、素晴らしい。

 

千葉真一も、存在感がある。

 

ストロング金剛や佐藤蛾二郎など、脇役も面白い。

 

ラストは、納得いかない。

 

煮詰める前に、締め切りに間に合わせたような終り方だ。