captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

ウォーム・ボディーズ

アメリカの映画である。

 

ゾンビウイルスが蔓延し、感染していない人は、高い壁を作ってその中で暮らしていた。

 

ゾンビは、ガイコツ達と共に、飛行場に集まって棲んでいた。

 

ゾンビは、ゾンビになって時間が経つほど記憶や思考が薄れ、運動能力も衰えていく。

 

最後には、食欲だけが残り、自分の肉を食べてしまうのだ。

 

その結果、「ガイコツ」になる。

 

ガイコツは身軽になって、素早く動き、しかも凶暴だ。

 

ゾンビRとMは、食料である人間を求めて出掛けた。

 

ジュリーは、恋人のペリー達と共に、壁の外へ医薬品を取りに出る。

 

そこを、ゾンビ達に襲われた。

 

ゾンビRは、ペリーを殺して脳を食べた。

 

ペリーの記憶が、Rに移る。

 

Rは、ペリーの恋人であるジュリーに惚れて、住み家にしている飛行機へ連れていった。

 

ジュリーに血液を付けてゾンビに見せかけ、他のゾンビに襲われないようにした。

 

ジュリーは、Rの隙を突いて逃げ出したが、すぐに他のゾンビに襲われた。

 

そこをRに救われ、2人は心を通わせるようになる。

 

Rは、ペリーを食べたことをジュリーに打ち明け、翌朝ジュリーは自分の家に帰ってしまった。

 

ゾンビは夢を見ないはずなのに、Rは夢を見た。

 

人間に近づいてきたのだ。

 

そして、ペリーの記憶を元に壁の内側に入り、ジュリーに会いに行く。

 

ところがジュリーの父親は、ゾンビ退治の指揮を執る、軍のリーダーだった。

 

この映画は、ホラーではなく、コメディタッチの恋愛映画だ。

 

ゾンビRが、恋愛が苦手な内気な少年のようで、かわいく見える。

 

感動するような作品ではない。

 

 

 

 

動く標的

ロス・マクドナルド原作、ポール・ニューマン主演、アメリカの探偵映画である。

 

私立探偵ルー・ハーバーは、友人である弁護士アルバートから仕事を依頼された。

 

大富豪サンプソンが、失踪したのだ。

 

ルーは、サンプソンの妻に会いに行く。

 

そして、サンプソンの部屋で、かつての人気女優フェイの写真を見つけた。

 

フェイの夫は、密入国の手引きをして大金を稼いでいる。

 

フェイに会いに行ったルーは、その場に掛ってきた電話で、バー「ピアノ」が関係していると感じた。

 

そして「ピアノ」に乗り込むが、用心棒に叩き出されてしまう。

 

サンプソン夫人の元には、50万ドルを要求する脅迫状が届いた。

 

ルーは、シンジゲートが関わっていると睨み、捜査に乗り出す。

 

この作品は、なかなかややこしい。

 

ルーが、調査のために人に会い、また、次の人に会う。

 

彼が会う人同志の相関関係が、メモでも取ってないと、記憶に残らないのだ。

 

また、ルーはタフ・ガイでも英雄でもなく、おどけた探偵だ。

 

だから、ちょっと、もどかしい。

エンド・オブ・ザ・ワールド

ティーブ・カレル主演、アメリカのSF映画である。

 

小惑星が地球に接近し、21日後に衝突することが分かった。

 

そのニュースを聞いた人の反応は、様々だ。

 

保険のセールスをしている主人公ドッジは、誘われたパーティーに行ったが、なじめなかった。

 

妻は、不倫相手と出て行ってしまい、独りだ。

 

帰宅してぐったりしていると、窓の外で誰かが泣いていた。

 

ペニーという女性で、話している内に隣人だと分かる。

 

彼女は、最後の時間をイギリスにいる家族と過ごしたかったのだが、飛行機に乗り遅れたのだった。

 

ペニーは、彼女の家に誤配されたドッジ宛ての手紙を持ってきた。

 

それは、かつての恋人オリヴィアからのものだった。

 

彼は、オリヴィアに会いに行くことにした。

 

ペニーもついていく。

 

秩序がなくなっている世界で、困難を乗り越えて、なんとかオリヴィアの家にたどり着くが、彼は、会わなかった。

 

その後、永く疎遠になっている父親に会いに行く。

 

彼の自家用機で、ペニーをイギリスに送り届けてもらうためだ。

 

父親と和解し、和やかな時を過ごす。

 

ペニーが眠りについたところで、そっと飛行機に乗せた。

 

この作品は、小惑星が衝突して人類が滅亡するという、ありふれた物語だ。

 

だが、切り口は、ひと味違う。

 

終末感は、最初の方だけだ。

 

ドッジとペニーが、だんだん惹かれあっていく物語である。

 

ラストは、普通に考えられるパターンとは、随分違う。

 

しかし、美しく、心に残る。

 

「そう来たか」と。

栄光への5000キロ

石原裕次郎主演、日本の映画である。

 

主人公・五代高行は、プロレーサーだ。

 

日本グランプリで走路妨害・失格の判定を受け、以来、フリーランスのレーサーとして世界を渡り歩いている。

 

五代は、恋人の優子、フランス人レーサーのピエール、その妻アンナ、メカニックのジュマの5人でチームを組んでいる。

 

雪の、モンテカルロラリー。

 

他チームの妨害 ( 嫌がらせ ) で、クラッシュし、五代は重傷を負った。

 

チームは解散し、ピエールはアメリカのワークスチームに入った。

 

怪我が回復した五代は、日産チームのドライバーとして、日本グランプリに出場する。

 

レースでは、ピエールが五代を潰しに来た。

 

そして、2位に終わる。

 

日産から走りを評価され、サファリラリーに出場することになった。

 

五日間で5000キロを走破する、過酷なレースだ。

 

これに、ピエールも出場する。

 

スタート順位の抽選で、ピエールは3番、五代は90番だった。

 

五代にとって、極めて不利なスタート順位だ。

 

スタート直前、五代は、永く離れていて今はパリにいるはずの優子の姿を、目にした。

 

この作品は、長い。

 

そして、長い割には余韻が残らない。

 

3時間は、裕次郎ファンで車好きでなければ、キツイかも知れない。

 

レースシーンは、迫力がある。

 

往年の名車が見られるのも、いい。

 

 

オール・ユー・ニード・イズ・キル

トム・クルーズ主演、アメリカのSF映画である。

 

近未来、地球は「ギタイ」と呼ばれる宇宙人から、攻撃を受けていた。

 

地球人は、パワードスーツを開発して戦うが、追い込まれていく。

 

主人公ウィリアム・ケイジ少佐は、軍の広報担当として、新人募集をしていた。

 

あるとき、将軍から前線の取材を命じられたが、従わなかった。

 

それで、一兵卒に降格され、ヒースロー空港から最前線に送り込まれた。

 

彼は戦闘経験が無く、所属させられたJ分隊の兵士達は、彼に協力的ではなかった。

 

最初の戦闘で、彼は、青いギタイと共に爆死する。

 

その瞬間、彼はヒースロー空港に時間を遡っていた。

 

同じパターンが繰り返される。

 

同じ戦闘を繰り返すことで、彼は強くなり、戦場の英雄で戦死するはずのリタ軍曹を助けるようになる。

 

ウィリアムは、青いギタイの体液を浴びたことで、タイムループの能力を獲得したのだった。

 

元々は、青いギタイが、ギタイの未来を改善するために持っていた能力だ。

 

死んでも生き返ることが分かったウィリアムは、対ギタイ戦術・戦略を固めていく。

 

この作品の原作は日本人である。

 

2004年発表の小説だが、タイムループのアイデアは、「うる星やつらビューティフル・ドリーマー」のパクリではないか。

 

こちらは、さらに20年前の映画だ。

 

これを観た作者が心に残っていて、盗作と意図せず、アイデアを拝借したのかも知れない。

 

それはともかくとして、「ギタイ」 は、かなり恐ろしい。

 

 

 

 

マッチスティック・メン

ニコラス・ケイジ主演、アメリカの映画である。

 

主人公ロイは、詐欺師だ。

 

相棒のフランクから、大きな仕事をやろうぜと誘われたが、断る。

 

彼は、極度の潔癖症だ。

 

薬で抑えているが、明るいところに出ると発作を起こしてしまう。

 

ある日、台所で薬を流してしまった。

 

フランクに頼んで、精神科医を紹介してもらう。

 

医者との会話の中で、潔癖症の原因は、かつての離婚にあると言われた。

 

別れた妻について医者に調べてもらい、娘がいることが判明する。

 

娘のアンジェラは、14歳になっていた。

 

夏休みのある日、アンジェラは母親と喧嘩をしたと言って、彼の家にやってきた。

 

ちょっとした喧嘩が元で、詐欺師であることがばれてしまうが、アンジェラは大して驚かない。

 

それどころか、詐欺を教えてくれと言う。

 

仕方なく、一緒に、軽い詐欺をした。

 

しかし、取ったお金は、返させる。

 

ロイは、フランクの要求を受け、大きな詐欺を働くことにした。

 

これにアンジェラを巻き込んでしまう。

 

この物語はどこへ向かっているのだろう、という感じだが、全てがラストへの伏線になっている。

 

よく出来た脚本だ。

 

なるほど、そう来たかと、納得させる作品である。

 

 

 

 

大いなる決闘

チャールトン・ヘストン主演、アメリカの西部劇である。

 

主人公サム・バーゲードは、かつて鬼の保安官と恐れられた男だ。

 

今は引退して、一人娘スーザンと暮らしている。

 

彼は、かつて列車強盗ザック・プロボ ( ジェームズ・コバーン ) を逮捕する際、プロボの妻を誤って射殺してしまった。

 

そのことを、負い目に思っている。

 

プロボは、服役中で鉄道敷設作業をさせられていた。

 

ある日、作業中に監視員を殺害し、仲間と共に脱走した。

 

サムに、復讐するためだ。

 

情報を受けたサムは、保安官メイの元へ行き、保安官として復帰しプロボ逮捕の先頭に立った。

 

サムは、プロボが復讐に来ることを知っていたので、金貨輸送の偽情報を流し、メイと共に待ち構えていた。

 

ところがプロボは、その裏をかいてサムの家に行き、スーザンを誘拐する。

 

サムは、プロボが残した置き手紙を頼りに、スーザンの恋人ハルも連れて、プロボを追跡する。

 

プロボは、インディアン居留地に逃げ込んだ。

 

ここは、逮捕権が及ばない。

 

仕方なく保安官のメイは、町に帰ってしまう。

 

サムは、ハルと共に追跡を続け、プロボ達を見つけ出した。

 

この作品は、早撃ちガンマン、ヒーローが活躍する西部劇ではない。

 

細かな心理描写を使い、サスペンス映画と言える。

 

ただ、もどかしくて、しかも後味がスッキリしない作品だ。

 

特に女性には、賛同できないシナリオだろう。

 

リアリティがあり、実際にはそうなのだろうけれど、これは映画であり娯楽なのだから、スカッと終わらせて欲しかった。