小惑星が地球に接近し、21日後に衝突することが分かった。
そのニュースを聞いた人の反応は、様々だ。
保険のセールスをしている主人公ドッジは、誘われたパーティーに行ったが、なじめなかった。
妻は、不倫相手と出て行ってしまい、独りだ。
帰宅してぐったりしていると、窓の外で誰かが泣いていた。
ペニーという女性で、話している内に隣人だと分かる。
彼女は、最後の時間をイギリスにいる家族と過ごしたかったのだが、飛行機に乗り遅れたのだった。
ペニーは、彼女の家に誤配されたドッジ宛ての手紙を持ってきた。
それは、かつての恋人オリヴィアからのものだった。
彼は、オリヴィアに会いに行くことにした。
ペニーもついていく。
秩序がなくなっている世界で、困難を乗り越えて、なんとかオリヴィアの家にたどり着くが、彼は、会わなかった。
その後、永く疎遠になっている父親に会いに行く。
彼の自家用機で、ペニーをイギリスに送り届けてもらうためだ。
父親と和解し、和やかな時を過ごす。
ペニーが眠りについたところで、そっと飛行機に乗せた。
この作品は、小惑星が衝突して人類が滅亡するという、ありふれた物語だ。
だが、切り口は、ひと味違う。
終末感は、最初の方だけだ。
ドッジとペニーが、だんだん惹かれあっていく物語である。
ラストは、普通に考えられるパターンとは、随分違う。
しかし、美しく、心に残る。
「そう来たか」と。