イギリスのSF映画である。
三時間を超える長編だ。
西暦2020年、温暖化により地球は砂漠化しつつあった。
エネルギーも不足し、イギリスのヘイロー社は、北極の油田開発をはじめていた。
科学者のトムは、これに警告を与える。
もし、熱水が噴き出し北極の氷が溶けたら、大量の真水が大西洋に流れ込む。
そのせいで温かいメキシコ湾流が止まってしまい、ヨーロッパは氷河におおわれてしまうのだと。
ヘイロー社は、敏腕弁護士サラに対抗させ、トムの話を一蹴する。
トムは、北極の油田に行き、調査を始める。
たまたま、サラも同行していた。
サラは、秘密の多さに疑問を抱き、トムと供に調査を始めるが、何者かに襲われた。
掘削機は、遂に熱水を噴き出させ、北極の氷が溶け始める。
イギリスは、瞬く間に気温が下がりはじめ、一面、氷におおわれてしまった。
北極の海を泳いだ後すぐに走り回ったり、ブリザードの中を歩いて基地に帰還したり、-40℃のロンドンを軽装で歩き回ったり。
燃料切れで氷原に不時着した飛行機が大破しているのに、主人公達は何のダメージも負っていない。
突っ込みどころ満載の映画である。
リアリティーが乏しいので、入り込めない作品だ。
それに、長い。
トムと娘の葛藤、トムと父親との関係など、人間ドラマとしては丁寧に作ってある。
だから、長くなるのだ。
近未来を描くのは、賭である。
制作者は、2020年には地球温暖化が進んでいると予想していたようだ。
現実には、全く変わっていない。
都市部の気温が上がっているだけだ。
予想が外れると、それだけで失敗作とみなされてしまう。
2100年くらいの想定にしておけば、作った本人は死んでいるので、恥をかかずに済んだのに。