captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

輪廻

優香主演、日本のホラー映画である。

 

昭和45年、群馬県のリゾートホテルで、大量殺人事件が起きた。

 

犯人は大学教授の大森だった。

 

彼は先ず妻を刺し、宿泊客を次々に惨殺し、最後に幼い娘と息子を殺してから自殺した。

 

妻の歩美だけは、かろうじて生き残った。

 

35年後。

 

映画監督・松村は、この事件を題材とした「輪廻」を撮影する。

 

オーディションで選ばれたのは、新人の渚だった。

 

その日から渚は、不気味な人形を抱きかかえた少女の幻影に付きまとわれる。

 

さらに、スタッフと共に訪れた事件現場のホテルで、過去の惨劇がフラッシュバックする。

 

やがて渚は、自分は殺された娘・千里の生まれ変わりではないかと考え始める。

 

女子大生の弥生は、行ったことも見たこともない「赤い屋根のホテル」の夢を頻繁に見ていた。

 

事件があったホテルだ。

 

大学で輪廻転生を学んでいた弥生も、自分は事件で犠牲になった千里の生まれ変わりではないかと考えた。

 

撮影現場で発見された8ミリフィルムを現像すると、事件が撮影されていた。

 

大森が、撮影しながら殺していたのだ。

 

殺された人々の生まれ変わりが、撮影現場に集結していた。

 

これ以上はネタバレになるので、やめておこう。

 

日本のホラー映画独特の、おどろおどろしさがある。

 

現実にありそうな、いつか夢で見てしまいそうな、鈍い恐怖の作品である。

 

ハリウッドのホラーは、驚かせることを目的とした尖った恐怖だから、観ている時の心拍数は上がるだろう。

 

しかし、後を引くのは、邦画である。

 

 

アダプテーション

ニコラス・ケイジ主演、アメリカの映画である。

 

脚本家のチャーリー・カウフマンは、「マルコヴィッチの穴」で成功を収め、次の依頼に取りかかる。

 

それは、スーザン・オーリアンの「蘭に魅せられた男」という本の脚色だった。

 

起伏の少ないつまらない原作のため、なかなか、脚本が仕上がらない。

 

恋人のアメリアにも愛想を尽かされ、ますます悲観的になっていった。

 

さらに、双子の弟ドナルドは、邪魔ばかりする。

 

あっけらかんとしたドナルドは、脚本家に興味を持ち、教室に三日間通っただけで、作品を仕上げてしまう。

 

これが、エージェントに気に入られて高値が付く。

 

チャーリーの方は、一向に進まず、結局、スーザン本人に会いに行く。

 

スーザンの本に出てくるジョンという男は、実在していてスーザンと付き合っていた。

 

彼らは、蘭から抽出したドラッグを使っていたのだった。

 

後をつけていたチャーリーは、彼らに捕まってしまう。

 

この作品は、コミカルに進行していくが、ラストはシリアスだ。

 

チャーリーの物語の中にスーザンの話が挿入されていて、混乱するかも知れない。

 

ニコラス・ケイジが、悲観的なチャーリーと楽観的なドナルドの、一人二役を演じている。

 

どちらもはまっていて、面白い。

 

スーザン役は、メリル・ストリープだ。

 

 

 

 

 

 

ディパーテッド

レオナルド・ディカプリオマット・デイモン主演、アメリカの映画である。

 

マサチューセッツ州ボストン南部、コリン・サリバンは犯罪組織のボス・コステロの世話になり、警察学校を卒業して刑事になった。

 

コステロは、コリンを警察に潜入させることで内部情報を得る。

 

同じ頃、優秀な成績で警察学校を卒業したビリー・コスティガンは、コステロの組織へ潜入捜査を命じられた。

 

警察とコステロ、互いにスパイを潜入させ合ったのだ。

 

ビリーは、犯罪組織に入るため、軽犯罪を犯して警察に捕まる。

 

短い刑期で刑務所を出て、保護観察中にコステロ接触した。

 

コステロは、コリンの情報で、いつも逮捕を逃れていた。

 

そのコリンにマドリンという恋人が出来るが、マドリンは保護観察中のビリーの心理カウンセラーだった。

 

こうして、ビリーとコリン、二人の接点が出来る。

 

組織も警察も、内部にネズミがいることに気づく。

 

やがてビリーは、追い込まれていくが。

 

この作品は、ラストが凄い。

 

なんも、やりきれない結末だ。

 

しかし、スリルとサスペンス満載で、ハラハラ・ドキドキできる。

 

娯楽作品として、素晴らしい出来だ。

 

日本では、どうしてこういう作品が出来ないのだろう。

 

大がかりなセットも、高度なCGも要らないのに。

 

 

 

 

 

 

ヘブン・アンド・アース 天地英雄

シルクロードを舞台にした、中国・香港・アメリカ合作の映画である。

 

唐の時代、日本から遣唐使として来栖という青年が派遣されていた。

 

唐の都・長安で、来栖は政治や兵法を習得したので、皇帝に帰国を申し出た。

 

皇帝は、帰国の条件として、一人の男を処刑するよう命じた。

 

その男・李は元将軍であり、皇帝の理不尽な命令に背いて逃げていた。

 

来栖は、皇帝軍司令官の娘・文殊長安まで届ける道すがら李を探し出して処刑することになった。

 

李は嵐に見舞われ、瀕死になっていたところをキャラバン隊に救われた。

 

彼らは、仏典を長安まで運ぶ途中だという。

 

助けてもらった恩義に報いるため、李は護衛に付く。

 

来栖が見つけ戦いを挑むが、李から「キャラバンを長安に届けたら決闘しよう」と持ちかけられ、それに従う。

 

来栖はキャラバンに同行するが、道すがら、たびたび何者かに襲われた

 

キャラバンが運んでいた物は仏典ではなく、仏舎利だったのだ。

 

突厥を支配する男が、それを狙っていた。

 

来栖は李と共に敵と戦っているうち、李に親しみを感じるようになる。

 

そして、二人の間に友情が芽生えた。

 

来栖役を、中井貴一が演じている。

 

アクションシーンが、格好いい。

 

文殊役のヴィッキー・チャオも、可愛らしい。

 

砂漠の雄大な風景が、素晴らしい。

 

他国のことなので、時代考証が正確なのかどうか気にならない。

 

一級の、娯楽映画だ。

 

 

メアリと魔女の花

日本のアニメ映画である。

 

昔、魔女の国から若い魔女が「夜間飛行」という花の種を盗み出した。

 

逃げる途中、地上に落下し、種や乗っていた箒は森の中に隠れてしまった。

 

数十年後、メアリという赤毛の少女が伯母さんの家に引き取られてきた。

 

ある日メアリは、猫の後を付いて森に入り、綺麗な花を見つけて一輪持ち帰った。

 

翌日、彼女は再び森に入り、古びた箒を見つけた。

 

偶然、「夜間飛行」の花の汁が手に付き、その手で持った箒が動き出す。

 

魔女の箒だったのだ。

 

メアリは、それに乗って魔女の国へ行く。

 

 

米林宏昌監督の、美しい作品である。

 

ジブリの作品に比べたら、スケールは小さく、話も広がらない。

 

吹き替えも学芸会みたいだ、猫の声以外は。

 

映像が綺麗なだけに、勿体ない。

 

吹き替えに、客寄せのため名の知れた俳優を使うのだろうが、プロの声優と比べたら、雲泥の差がある。

 

大谷翔平上野由岐子の球を打てないし、メッシはラグビーの試合で活躍できない。」

 

映画界の人達は、このことが分かっていないようだ。

 

 

恋人までの距離

イーサン・ホーク主演、アメリカの恋愛映画である。

 

ブダペストからパリへ向かう列車の中、乗り合わせたドイツ人夫婦の喧嘩が嫌で、セリーヌは席を移動した。

 

ジェシーという男性の隣だった。

 

テキサス在住のジェシーは、マドリードにいる恋人と別れたばかりで、失恋の傷を癒すためにヨーロッパを巡っていた。

 

彼は翌日の飛行機で、アメリカに帰らなければならない。

 

セリーヌは、パリの大学に通う学生だ。

 

食堂車に移動した二人は意気投合する。

 

セリーヌは、ジェシーと共にウイーンで途中下車した。

 

ウイーンの町を歩きながら、二人は会話を続ける。

 

二人で過ごしているうちに、互いに惹かれあっていく。

 

 

ほぼ全篇、会話のシーンだが、タイムリミットが近づく中、どうなるのだろうとハラハラする作品だ。

 

応援したくなってしまう。

 

ウイーンの町が、美しい。

 

あの町並みだから、このような恋愛映画が成立する。

 

未来を感じさせるラストシーンも、素晴らしい。

 

しかし、現実に、あれほど多岐にわたって会話が出来る話題豊富なカップルって、いるのだろうか。

影なき男 ( 1987 )

 シドニー・ポワチエ主演、アメリカの映画である。

 

深夜、サンフランシスコの宝石店に強盗が入ったが、FBI捜査官スタンティンが、犯人をあっさり逮捕した。

 

犯人はその店の店主だった。

 

家に強盗が入り、妻を人質に取られていたのだ。

 

スタンティンらは店主の家を包囲して強盗犯と交渉するが、上手くいかない。

 

そして、宝石を奪われ、店主の妻は射殺され、犯人を取り逃がした。

 

犯人は釣り客に紛れ込み、山を越えてカナダに逃げ込むつもりだった。

 

スタンティンは、山に詳しいガイドのジョナサンに依頼して、二人で犯人を追う。

 

ジョナサンは、山に慣れていないスタンティンを残し、一人で追いたかった。

 

犯人が紛れ込んだツアーのガイドが、ジョナサンの恋人サラだったからだ。

 

スタンティンとジョナサンは、反発しながらも、やがて互いに認め合っていく。

 

犯人は、釣り客を次々に殺害しながら、サラを人質にして国境を越える。

 

そして、町へ出てのカーチェイスだ。

 

ストーリーは一直線で、分かりやすい。

 

犯人の残虐性を際立たせているので、観ている方は、ハラハラさせられる。

 

映画は娯楽、を地でいく作品だ。