ブダペストからパリへ向かう列車の中、乗り合わせたドイツ人夫婦の喧嘩が嫌で、セリーヌは席を移動した。
ジェシーという男性の隣だった。
テキサス在住のジェシーは、マドリードにいる恋人と別れたばかりで、失恋の傷を癒すためにヨーロッパを巡っていた。
彼は翌日の飛行機で、アメリカに帰らなければならない。
セリーヌは、パリの大学に通う学生だ。
食堂車に移動した二人は意気投合する。
ウイーンの町を歩きながら、二人は会話を続ける。
二人で過ごしているうちに、互いに惹かれあっていく。
ほぼ全篇、会話のシーンだが、タイムリミットが近づく中、どうなるのだろうとハラハラする作品だ。
応援したくなってしまう。
ウイーンの町が、美しい。
あの町並みだから、このような恋愛映画が成立する。
未来を感じさせるラストシーンも、素晴らしい。
しかし、現実に、あれほど多岐にわたって会話が出来る話題豊富なカップルって、いるのだろうか。