captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

地上最強のカラテ

40年ほど前の、記録映画である。

 

当時、ケンカ空手、邪道空手と揶揄されていた「極真カラテ」を紹介する映画だ。

 

第一回世界空手道選手権大会をメインに据えて、参加する選手たちの練習風景のドキュメンタリーである。

 

私はこの映画が好きで、何度も繰り返して観ている。

 

この頃の日本人選手は、皆、野武士みたいで、格好良かった。

 

命のやりとりをしているような、危険な雰囲気が漂っている。

 

日本選手団ではあっても、トーナメントで戦う敵同士だというギラギラしたものが伝わってくる。

 

今の日本人格闘技選手は、空手もボクシングも総合格闘技も、若手プロレスラーさえ、お洒落で、格闘家ぽくない。

 

バラエティー番組で稼ぐためには、そういう路線で行くのが王道なのかもしれないが。

 

「地上最強のカラテ」では、「命懸け」とか「真剣勝負」という言葉の意味そのままの戦いを観ることが出来る。

 

絆、絆と、何かあれば「絆が大事」の現代では、受け入れられないのだろうな。

 

 

アルゴ

実話を元にした、アメリカの映画である。

 

イラン革命の煽りを受けて、テヘランのアメリカ大使館が襲撃され、職員が人質となってしまう。

 

そのとき、占拠される前に六人の大使館員が逃げ出し、カナダ大使公邸に匿われた。

 

この六人を救出する物語である。

 

CIAは、架空の映画「アルゴ」をでっち上げ、テヘランに撮影スタッフに扮装した職員を送り込む。

 

捕まれば射殺される。

 

六人の大使館員は、何の訓練も受けていない。

 

いつ捕まるか分からない、ハラハラドキドキの作品である。

 

映画は娯楽である、という信条の人には、見応えのある作品だ。

キリングフィールド

アメリカの映画である。

 

ポル・ポト政権下のカンボジアを描いたものだ。

 

主人公は、新聞記者である。

 

クメール・ルージュが大量虐殺を始めた頃、国外脱出を謀るが失敗。

 

農場へ送られてしまう。

 

そこでは、意味もなく人々が銃殺されていた。

 

やがて、脱走するが、途中で力尽きてしまう。

 

そこを、別の農場のリーダーに救われて、彼の為に働くが、素性は隠している。

 

カンボジアでは、知識人は全部殺される運命にあったからである。

 

読み書きが出来る、めがねをかけているというだけで殺された人もいる。

 

せっかく隠していたのに、ある日こっそりBBC放送を聞いているところを見つかってしまった。

 

しかし、リーダーはポル・ポト政権に反対していて、自分の子供を彼に託す。

 

やがてリーダーは殺され、主人公は彼の子供を連れて地雷原を逃げるのだ。

 

この映画は、凄まじい。

 

全編に、不安と恐怖が満ちている。

 

共産主義者や左翼思想の者は、この映画は嘘で固められているという。

 

私は、この作品は真実に基づいていると思う。

 

カンボジアでは、数百万人が虐殺された。

 

ポル・ポト政権が倒れ、平和が戻ってきても知識人が全員殺されてしまっていたので、復興が進まないのだ。

 

この映画を観て、カンボジアで何が起きたのかを知ってもらいたい。

ジョンQ 最後の決断

アメリカの映画である。

 

主人公ジョンがリストラにあい、パートタイムの従業員へと格下げされる。

 

そんな時、息子が心臓発作で倒れ緊急入院するが、移植しないと助からないと言われる。

 

移植リストに載せる為にさえ高額の支払いが要求され、保険を使おうとするが、リストラの結果、保険も格下げされて使えない。

 

国からの補助も受けられない。

 

切羽詰まったジョンは、患者を人質にとって、病院を占拠する。

 

息子を守りたい一心の彼は、自分の心臓を差し出すべく、自殺を決意するが、、、。

 

父と子の絆を描いた、いかにもアメリカらしい作品である。

 

交渉人と話す主人公が、スナイパーに狙われ続ける、緊迫感のある映画だ。

 

この作品は、正義について考えさせられた。

 

 

黒子のバスケ ウインターカップ総集編 涙の先へ

テレビでやっていたので、録画して観た。

 

先ず感じたのは、「テラフォーマーズ」や、古くは「頭文字D」と顔が同じだということ。

 

逆三角形の顔、細いつり目、さらさらの髪、である。

 

主人公以外、顔を入れ替えても、誰も気付かないのではないか。

 

中身は、全体にわたって、試合の場面である。

 

ストップ、スロー、心の声、ギャラリーによる解説などは、「巨人の星」以来、変わってない。

 

日本のアニメは、今のところ海外で大人気である。

 

しかし、私のようにアニメをあまり観ない者からすれば、全部似たり寄ったりで、近いうちに衰退するのではないか。

 

このアニメは、私には、つまらない作品だった。

最後のマイ・ウェイ

フランスの映画である。

 

歌手、作詞家、作曲家、音楽プロデューサー「クロード・フランソワ」の伝記映画だ。

 

彼は、世界的ヒット曲「マイ・ウェイ」の作者でもある。

 

エジプトで生まれた彼は、父がスエズ運河の管理会社に勤めていて、裕福であった。

 

将来は、その会社で働く希望があったが、エジプト政変で国外へ追われてしまう。

 

やがて成長した彼は、歌手としてデビューし、フランスを代表する大スターとなった。

 

私生活では、結婚、離婚、ギャンブル依存症の母親、など少しはトラブルがあったが、スター街道まっしぐらである。

 

彼の作った「マイ・ウェイ」をフランク・シナトラが歌い、これは世界的ヒット作となった。

 

世界で最も知られている歌、といっても良い。

 

そんな彼も、最後はあっけなく、この世を去った。

 

享年39歳。

 

短い生涯を、全力で駆け抜けた、という映画である。

 

 

 

 

グラン・トリノ

アメリカの映画である。

 

クリント・イーストウッド監督・主演の作品だ。

 

彼が、俳優生活の締めくくりとして選んだ物語は、「去りゆく老兵」の最も格好いいパターンである。

 

主人公は、引退した元自動車工で、妻を亡くした、頑固な老人である。

 

自分の会社で製造していた愛車「グラントリノ」が、彼の誇りであった。

 

限られた友人以外は寄せ付けない頑固老人が、車を盗みに来た少年と知り合い、家族とも仲良くなる。

 

少年を更生させ、一人前にすることに生き甲斐を感じ始めた時、自分が不治の病であることを知る。

 

そこに、ギャングがらみの事件が起き・・・。

 

クリント・イーストウッドが、この後、監督に専念する為に、最後の主演として気合いが入っている。

 

脚本が洗練されていて、引き込まれる。

 

彼の、それまでの主演映画からすれば、意外な結末で、戸惑う人がいるだろう。

 

しかし、こういうラストが、余韻を残すのだ。

 

この作品は、名作と言える。