日本の映画である。
冬の北海道。
オホーツク海沿岸に、流氷が来る。
海岸の柏の木は、流氷に乗ったキタキツネ「フレップ」 を見ていた。
フレップは、吹雪の中、妻レイラに合う。
2匹は協力して、砂丘に巣穴を作った。
春。
レイラは、5匹の子供を産んだ。
それぞれに個性がある。
末っ子のチニタは、目が見えなかった。
成長した子供達は、線路のあるところまで遊びに行ったりする。
ある日チニタは、波の音に誘われ、1匹でタンポポの丘へ行った。
チニタは、それっきり、帰ってくることはなかった。
蛇が出た。
フレップとレイラが蛇の相手をしているとき、犬が子狐を襲ってきた。
フレップは、犬の気を逸らせて、子供達を守る。
雨の季節。
雨が降ると嗅覚や聴覚が鈍って、餌が獲れなくなる。
子供達は、じっと空腹に耐えていた。
しかたなくフレップは、人間の住むところに行き、ニワトリを襲う。
オリジナルの「キタキツネ物語」 は、1978年、日本初の動物ドキュメンタリー映画として公開された。
リニューアル版は、デジタル修復されて画像が綺麗になった。
時間も、やや短くなっている。
擬人化しているものの、押しつけがましくない。
むしろ、感情移入しやすくなっている。
人間関係が希薄になっていて、やたら、絆だ空気だと、皆と同じであることが強要される昨今。
この作品を観れば、本当の絆とは何か、分かるだろう。