邦画である。
ホラーではない。
居酒屋を経営する主人公と、後妻、幽霊になった先妻の三角関係をコミカルに描いている。
先妻役の室井滋の演技が、マンガを見ているみたいに面白い。
若い頃の山口智子がかわいい。
見どころと言えば、それくらいである。
のんびり観たい人に向いているのかもしれない。
フランスの映画である。
続編が二つ出ているが、第一作を見ていないと、理解できないだろう。
原題は「Taken」、日本語の題は、誘拐事件の被害者が無事でいられると考えられる猶予時間からきている。
主人公ブライアンは、元CIAの工作員で、ボディーガードを職業としている。
ブライアンは離婚しているが、別居中の娘との仲は良好である。
ある日娘が、友人と海外旅行中に誘拐される。
拉致される直前に携帯から彼に電話が掛かってきて、彼は、その後起きるであろうことを娘に告げる。
娘は言われて通りにし、犯人の手がかりを残した。
そして主人公が、娘の捜索を始める。
主演のリーアム・ニーソンは、冷静沈着で、敵を容赦なく射殺する。
格闘も、圧倒的に強い。
この辺り、スティーブン・セガールみたいな感じだ。
映画としては、最後まで気が抜けない、楽しめる作品である。
イギリスと南アフリカの合作である。
日本では高校生くらいだろうか、ツォツィと呼ばれるスラム街の少年の話だ。
ツォツィとは、現地の言葉で「不良」とか「チンピラ」の意味である。
彼は孤児で、仲間と共にギャングまがいのことをしていた。
ある日、満員電車の中で恐喝をしている最中に、仲間が人を殺してしまう。
そのことで喧嘩した彼は、金持ちの女性を銃撃し車を奪う。
奪った車には、女性の赤ちゃんが乗っていた。
連れ去って世話をするのだが、彼は、殺人未遂、強盗、誘拐の凶悪犯である。
似顔絵を元に、手配された。
最後には逮捕されるが、赤ん坊を抱く少年一人に対して、数台のパトカーで取り囲み、何人もの警官が銃を構えるのである。
南アフリカでは、ああなのか。
後味の悪い結末であった。
アメリカの映画である。
少女を暴行し服役した犯人の、弁護士に対する逆恨みによる復讐の物語である。
獄中で学問を積んだ犯人のやりかたは、計算されていて、恐ろしい。
犯人役の、ロバート・デ・ニーロは、本当に恐怖である。
出所して、弁護士に会いに行き、最初の恐怖・心配を植え付ける。
そこから、だんだんエスカレートしていくのだ。
見終わった時、疲労感が残る映画である。
ちっとも、心地よくないが。
イギリスの映画である。
第二次大戦中、ドイツ軍による英首相チャーチル誘拐作戦を描いたものだ。
チャーチルが、イギリスの片田舎を訪れるとの情報に基づき、ドイツは落下傘部隊を潜入させる。
イギリス軍服を着て、軍事演習を装い、その村で待ち伏せしていた。
ある日、訓練中に村の男の子が水路に落ちた。
それを助けたドイツ兵が水車に巻き込まれたことで、彼らの正体がばれてしまう。
作戦に狂いが生じたのだ。
この映画では、ドイツ兵は冷徹ではない。
暖かく人間味があり、その上で任務を遂行している。
次第に追い込まれていくが、観ている側は、ドイツ兵に思い入れしてしまうのだから、つらい。
ただ、この作品は、小説の方が面白かった。