メイ・ホラントは、地元の水道会社で電話相談の仕事をしていた。
父が難病を患っていて、母はその看病に疲れている。
仕事はつまらなく、唯一の楽しみは、カヤックだった。
ある日、世界最大のSNS企業「ザ・サークル」に勤める親友アニーから、面接を受けてみないかと連絡があった。
面接官の矢継ぎ早な質問を難無くこなして、メイは採用された。
メイが配属されたのは、「トゥルー・ユー」というSNSサービスの顧客対応だった。
ザ・サークルでは、毎週ドリーム・フライデーが開催され、経営者のイーモン・ベイリーがスピーチをする。
この日のスピーチで、彼はメイ達新人を応援した後、画期的なシステム「SeeChange」を発表した。
これは、誰でも超小型のワイヤレスカメラを世界中に設置でき、その映像をシェアするというシステムだ。
週末、実家に帰ったメイは、両親に意気揚々と報告した。
両親は、メイに友人のマーサと結婚して欲しかったが、メイにその気はない。
メイはマーサに、会社を見に来てと言うが、マーサは乗り気ではなかった。
アニーの働きで、会社の保険プランに入れたメイの父親は、最先端の治療を受けられるようになった。
メイも健康診断の時に、身体の情報端末リストバンドを装着された。
ある日、野外パーティーで、メイは「トゥルー・ユー」の開発者タイ・ラフィーと話した。
タイは、当初の考えとは違う方向に進んでいる会社を危惧していた。
メイが、何気なく、マーサが製作した鹿角のシャンデリアを、SNSにアップした。
そのせいで鹿殺しの濡れ衣を着せられたマーサは、会社にメイを訪ねて来て、別れを告げた。
傷ついたメイは、夜、無断でカヤックを持ち出し湾に出た。
荒れた波のせいで、カヤックが転覆し、メイは溺れそうになった。
そこにレスキューヘリが飛んできて、彼女は救助された。
アザラシを観察したい人が設置したSeeChangeの映像を見た人が、通報してくれたおかげだった。
システムに心酔したメイは、24時間カメラを装着して自らを「透明化」すると、ドリーム・フライデーで宣言した。
この作品は、中途半端な仕上がりだ。
SNSの危険性を描いているのだが、想定の範囲内であって、驚きがない。
誰もが予想できる、ありきたりな世界を描いている。