captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

山桜

藤沢周平原作、田中麗奈主演、日本の時代劇映画である。

 

東北、海坂藩。

 

磯村野江は、叔母の墓参りをした。

 

嫁ぎ先の姑が厳しく、なかなか命日には来られないが、毎年欠かさずに続けている。

 

帰り道、満開の山桜があった。

 

手折って持帰ろうとするが、手が届かない。

 

そこに1人の武士が来て、手伝ってくれた。

 

手塚弥一郎という武士で、彼は野江が磯村庄左衛門と再婚する前に、縁談を申し込んだことがあった。

 

思い出した野江は、詫びた。

 

弥一郎は、「今は、お幸せでござろうな。」 と問うた。

 

野江が「はい」 と答えると、安心した顔で去っていった。

 

山桜の枝を持って実家に立ち寄った野江は、弥一郎の優しさに触れて、ほのかな恋心が芽ばえていた。

 

野江の弟は、道場で弥一郎に剣術を仕込まれていた。

 

縁談を申し込んだ当時、弥一郎の野江に対する気持ちは、道場生の間でも評判だったのに、なぜことわったのかと、弟は問うた。

 

その当時、野江は前夫を病気で亡くして出戻っていたのだが、「剣術の使い手は怖いと思っていたから」 と答えた。

 

嫁ぎ先では、野江は使用人のように扱われている。

 

野江の父親と同じ下級武士でありながら、禄高に劣る庄左衛門は、心を開かない野江に辛く当たっていた。

 

藩の重臣、諏訪平右衛門は譜代の家柄であるため、他の家臣達は彼に口答えできない。

 

諏訪は、藩の農政を仕切って大百姓と結託し、私腹を肥やしていた。

 

凶作続きの農民は、新田の開墾に借り出され、食べていくのがやっとだ。

 

良心的な家臣の米倉だけが、諏訪のやり方に反対した。

 

彼は、部下に現状を訴える書状を部下に持たせ、江戸にいる殿様の元に向かわせた。

 

しかし、その部下は、何者かに襲われ、始末された。

 

弥一郎が、農地を視察した。

 

昼休みに弁当を食べていると、農民の娘が水を持って来てくれた。

 

弥一郎は娘に、にぎりめしをあげた。

 

農民の家では、食べる米が無かった。

 

天候の不順が続き、その年の収穫も少なかった。

 

弥一郎に水を持って来てくれた娘は、幼くして亡くなった。

 

弥一郎は、諏訪を斬る決意をした。

 

静かに物語が進行する。

 

退屈な作品だ。

 

しかし、心に残る。