イタリアの映画である。
ローマ郊外の映画撮影所で、子役のオーディションが行われていた。
我が子をスターにしたい母親達が、自慢の娘を連れて列を成している。
看護師のマッダレーナも、その一人だ。
並んでいる最中、娘のマリアが迷子になってしまう。
やっと見付かり、何とかオーディションに間に合った。
マリアは詩を暗唱して、一次審査に合格した。
マッダレーナは、夫が反対しているため、マリアを女優にするための資金を自分で用意しなければならない。
彼女は、通院できない患者の家を回って注射することで、お金を稼いでいた。
そんなある日、マリアが一次審査を通った噂を聞いて、昔女優をしていたと自称するティルデという女が、やって来た。
マリアは、彼女にレッスンを受ける。
さらに写真を撮ったり、バレエを習わせたりと、マッダレーナは、お金をどんどん使った。
その頃、オーディションに合格するためには、スタッフのコネが要るという噂が流れた。
マッダレーナは、一次審査の時に知り合った撮影スタッフに相談した。
すると彼は、賄賂にするため5万リラが必要だという。
マッダレーナは、支払った。
ところが彼は、その金でスクーターを買ったのだった。
娘を子役にするために、手持ちのお金を湯水の如く使ってしまうのは、現代の日本と同じだ。
この映画は、最後に心が救われた。