アメリカのコメディ映画である。
サムは、財産目当てに大富豪の娘バーバラと結婚した。
大富豪は病気で余命幾ばくも無かったはずが、その後15年も生きながらえた。
サムは、自力で事業を成功させ金持ちにはなったが、バーバラに入る遺産が欲しかった。
そこで、バーバラを殺す計画を愛人キャロルに打ち明ける。
ところが帰宅してみると、バーバラはいない。
誘拐されたのだ。
犯人から電話があり、50万ドルの身代金を要求され、警察やマスコミに知らせると妻の命はないと脅迫された。
サムとしては、渡りに船だ。
早速、警察とマスコミに連絡して、誘拐はテレビや新聞で大きく報道された。
一方、サムの愛人キャロルは、恋人と共謀してサムが殺人を犯す現場をビデオに撮影することにした。
証拠のビデオがあれば、一生、サムを脅迫して大金をせびり続けられるからだ。
予定した現場に男女が乗った車が来て、窓を開けて、派手にカーセックスを始めた。
遠くからビデオ撮影していたキャロルの恋人は、残酷にいたぶって殺していると勘違いし、吐き気を催しながらも撮影する。
誘拐されたバーバラは、わがまま放題で、気の弱い誘拐犯は手を焼いていた。
誘拐したのは、気の弱い若い夫婦だ。
服のデザインをサムに盗まれ、その損害を取り返したかったのだ。
サムは、一向に身代金を支払おうとしない。
仕方なく値下げし、最後は一万ドルまで下げた。
この作品は、実に愉快な映画である。
登場人物それぞれが、思惑通りに行かない。
練りに練られた脚本だ。
破綻することなく、細かいところまで念入りに仕込まれていて、感心するくらいである。
喜劇の教科書、みたいな映画だ。