ジャック・ニコルソン主演、アメリカの映画である。
ノーフォーク海軍基地に勤める下士官バダスキーは、もう一人の下士官マルホールと共に、囚人護送を命じられる。
囚人は、基地内の募金箱から40ドルを盗もうとして捕まった水兵だ。
司令官夫人が設置した募金箱だったため、海軍刑務所での懲役8年と懲戒除隊という厳罰が下ったのだった。
基地から刑務所までは、バスや列車を乗り継いで護送する。
バダスキーは、世間知らずで純粋無垢な青年を護送している内に、何とか良い思いをさせてやりたくなった。
乗り物の中では手錠を外してやる。
店でハンバーガーを食べる。
ビールを飲む。
ホテルに泊まって、酔いつぶれるまで酒を飲む。
海兵隊員と喧嘩をする。
売春宿に行く。
など、懲役中に体験できないことを、次々にさせてやるのだった。
ハチャメチャなバダスキーに対して、マルホールは抗議したりもしたが、やがて同じ気持ちになっていく。
しかし、いくら楽しい思いをさせてやっても、刑務所に着いた瞬間から、辛い懲役が始まるのだ。
刑期が終わっても、懲戒除隊である。
バダスキーは、自分の無力さを分かっていた。
結局、何もしてやれないということを。