アメリカの映画である。
主人公ビリー・ホープは、ボクシング世界ライトヘビー級チャンピオンだ。
散々相手に殴らせてから殴り返すスタイルが、観客を熱狂させた。
その日の試合も、徹底的に殴らせた上で劇的な逆転勝ちをして、観客を喜ばせた。
勝利の記者会見で、実力のあるミゲルが、自分と試合をしろと挑発した。
しかしプロモーターは、金になる相手としか試合を組まない。
妻のモーリーンは、ビリーの戦い方をパンチドランカーになるリスクが大きいと、心配している。
ある日、ビリーは自分が育った養護施設のチャリティーで、スピーチをした。
その席に来ていたミゲルが、ビリーを執拗に挑発した。
モーリーンが止めたにも拘わらず、ビリーはミゲルに殴りかかった。
2人が殴り合っている最中、銃声がした。
銃弾はモーリーンに当たった。
彼女は、亡くなった。
ミゲル達に復讐を誓ったビリーだが、上手くいかず、自暴自棄になった。
試合では、殴られるだけ。
タオルが投げられ止めに入ったレフリーに対して、ビリーは頭突きをした。
これにより、名誉も財産も友人も失ってしまった。
そして、一人娘のレイラとも引き離されてしまった。
再起を期したビリーは、彼に唯一勝利した選手を育てたティック・ウィルズのジムを訪ねた。
ティックは、家庭環境に恵まれない子供達にも、ボクシングを教えている。
アマチュアしか教えないというティックだったが、この時ビリーは、不祥事でライセンスを剥奪されていた。
ビリーは、再スタートを切った。
友情、努力、勝利。
主人公が挫折 → 師と出会い鍛えられる → 宿敵と戦う。
売れる作品の王道であり、シナリオは悪くない。
ただ、この作品で物足りないのが、音楽である。
ロッキーのテーマのような、心が躍る音楽が、この作品には無い。
音楽の力は、侮れない。