ドイツの映画である。
ベルリンオリンピック直前の1936年。
ナチスドイツは、国威高揚のために、3970メートルのアイガー北壁初登頂をドイツ人に成し遂げさせたかった。
ドイツ政府は、初登頂成功者にオリンピック金メダルを授与すると、約束した。
ドイツ軍山岳猟兵のトニー・クルツとアンディー・ヒンターシュトイサーが、登頂に挑む。
トニーは、登山の時はいつも日記を持参し、頂上で記する習慣があった。
しかし、登頂の直前に、彼は元恋人のルイーゼを訪ねて、日記を手渡した。
「戻ってきてから、書く。」
ルイーゼはベルリン新聞社の記者で、この度のアイガー北壁登頂を取材に来ていた。
7月18日、深夜、トニーとアンディーは出発した。
彼らを追って、オーストリア隊のヴィリー・アングラーとエディ・ライナーも出発する。
彼らは、自らのルートではなく、トニー達の後についてきた。
十分な距離をとっていなかったので、落石を除けきれず、ヴィリーは頭を負傷した。
山麓のホテルには大勢の見物客がいて、望遠鏡で彼らを見守っている。
ルイーゼは、客達の写真を撮影していた。
夜、4人は3100メートル辺りでビバークした。
翌日も順調に登り、3350メートルに達する。
そこで、頭を怪我したヴィリーが動けなくなった。
3人は、下山を決意する。
ヴィリーをザイルでつり下げながら、徐々に降りていくのだ。
山の天候が急変し、雪崩が起きる。
この作品は、緊張感が凄い。
観ている途中で逃げ出したくなるくらいだ。
登り始めたら、岩に打ち込んだ小さなハーケンと、細いザイルに命を賭ける。
過酷な世界を描いている。