captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

ロビンフッドの冒険

第二次世界大戦以前に制作発表された、アメリカの映画である。

 

中世のイングランド

 

リチャード獅子心王は十字軍遠征の帰り、オーストリア公に捕らえられてしまった。

 

弟王ジョンは、これを機会にイングランドの王位に就こうとする。

 

先ず、支配しているサクソン人達に重税を課した。

 

サクソン貴族のロビンは、シャーウッドの森に集結した仲間と共に、ジョンに対抗する。

 

彼らは、リチャードが後見を務めていたマリアン姫が城に向かうところを襲撃し、姫達を森に連れてくる。

 

マリアンは、ロビンから真相を聞かされ、心が動く。

 

その後、ロビンが捕まったり、リチャードが帰還したり、よく知られた物語だ。

 

何度か映画化されているし、絵本や小説も出ている。

 

アニメにもなっていて内容は知っているが、観ていて楽しい。

 

それだけ、原作が素晴らしいのだ。

 

この作品は原作に忠実で、オリジナリティーを出そうとしていないのが良い。

 

古くても、価値のある作品だ。

セッション

アメリカの映画である。

 

主人公アンドリュー・ニーマンは、19歳。

 

アメリカで最高峰の音楽学校である、シェイファー音楽学院に通っている。

 

彼が学んでいるのは、ドラムスだ。

 

ある日一人で練習していると、トップクラスを指導しているフレッチャーが入ってきた。

 

ただ、言葉を交わしただけで、褒めてもらうこともアドバイスもなかった。

 

しかし、合同練習の最中に現われたフレッチャーは、ニーマンを自分の所に来いと誘う。

 

朝六時にスタジオに来いと言われていたのに、起きたのが六時過ぎ。

 

慌てて駆け込むが、スタジオには誰もいない。

 

外には、練習が九時から始まると、張り紙があった。

 

メンバーが集まり、フレッチャーが入ってくると緊張が走る。

 

彼は完全主義者で、僅かなミスも許さない。

 

ニーマンは、しごかれて涙を流し、その日は譜めくりで終えた。

 

帰宅して、必死に練習を積む。

 

マメが出来、それが破れて、絆創膏を貼り、それが剥がれて二重に貼り、最後は氷で冷やす。

 

ニーマンは腕を上げ、主演奏者にまで上り詰めた。

 

此の後、ニーマンにもフレッチャーにも、大きな波乱がある。

 

二人の間に、確執が出来た。

 

ラストは、ジャズのセッションだ。

 

ドラムを叩くニーマンに対して冷たかったフレッチャーは、ニーマンの演奏に惚れ込んでいく。

 

そこには、確執はなかった。

 

ラストは、盛り上がる。

 

芸術という分野では、狂気がなければ一流になれないのかも知れない。

 

この作品は、始めから終りまで、狂気が流れている。

 

主人公と女子大生との恋愛が挟まっているが、違和感がある。

 

主人公の人生に幅を持たせるためのものなのだが、成功していない。

 

 

ボーイズ・ライフ

レオナルド・ディカプリオ主演、アメリカの映画である。

 

1950年代、プレスリーが大好きな不良少年トビーと、男運の悪い母親の物語だ。

 

母親は、いつも暴力的な男に惚れ、痛めつけられ逃げ出してきた。

 

トビーは、学校で問題を起こし、母親は学校に呼び出されてばかりいた。

 

そんな二人がシアトルに引っ越してきて、紳士的な男性ドワイトに出逢う。

 

ドワイトと母は結婚し、三人で暮らし始めたのだが。

 

ドワイトが紳士的なのは上辺だけで、彼もまた、暴力的な男だった。

 

トビーは、バイト代もドワイトに取り上げられ、不良グループとつるむしかなかった。

 

彼は、ドワイトから逃げ出すため、今の生活から逃げ出すため、学校から成績表を盗み出して改竄する。

 

そして、ドワイトを殴り倒すのだった。

 

撮影当時18歳のディカプリオは、初々しくていい。

 

ドワイトを演じるロバート・デ・ニーロも、ぴったりはまっている。

 

これは、作家ドバイアス・ウルフの自伝的小説を映画化したものだ。

 

彼は、大学教授でもある。

 

不良少年から大学教授へ。

 

これも、アメリカンドリームの一つだ。

アメリカ アメリカ

アメリカの映画である。

 

モノクロで撮影されている。

 

オスマントルコでは、少数民族であるアルメニア人やギリシャ人は、ひっそりと暮らしていた。

 

特にアルメニア人はトルコ人に嫌われ、迫害を受けていた。

 

主人公スタヴロフは、ギリシャ人の青年だ。

 

ここから抜け出して、アメリカに行きたいと願っている。

 

彼は、家族の全財産を持って、首都イスタンブールで店をやっている従兄弟の元に出発する。

 

田舎から出てきた純朴な青年が、持っているものをだまし取られる、というありがちなパターンが続く。

 

彼は、無一文で従兄弟の元にたどり着いた。

 

店は繁盛して居らず、彼が持ってくるはずの財産を期待していた従兄弟にも愛想を尽かされた。

 

港で荷物運びなどをして稼いだ金は、娼婦に盗まれると、これまた、ありがちな話である。

 

従兄弟の計らいで金持ちの娘と婚約したり、店に来たアメリカ人客の愛人になったり。

 

やがて、船に乗ってアメリカに旅立つ。

 

この映画は、監督の自伝的作品である。

 

かなりの部分に、真実が入っている。

 

三時間近い長編であり、アクションもサスペンスも殆ど無いから、退屈な作品だ。

 

芸術作品としてみれば、価値があるのかも知れない。

ロング・グッドバイ

レイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」を原作とする、アメリカの映画である。

 

主人公は、私立探偵フィリップ・マーロウ

 

ある日、友人のテリーが、妻と喧嘩したから暫くメキシコに行きたいと言ってきた。

 

マーロウは、親切にもテリーをメキシコに連れていった。

 

彼が帰宅すると警官が待っていて、テリーの妻が殺されたという。

 

テリーを逃がした嫌疑が掛り、マーロウは留置場に入れられた。

 

その後、テリーが自殺したという知らせが入り、釈放される。

 

戻ったマーロウの所に、今度はアイリーンという女性が、仕事の依頼に来た。

 

作家である夫のロジャーが行方不明になったので、探して欲しいと。

 

精神科医の所にいたロジャーを見つけ出したマーロウは、無事、彼を妻の元に送り届けた。

 

事務所に戻ると、今度はマフィアが待っていた。

 

彼らは、テリーが持ち出した35万ドルを、マーロウが隠しているのではと疑っているのだ。

 

マーロウは、さんざん痛めつけられたが、知らないことは話せない。

 

そうこうしているうちに、その現金がマフィアの事務所に届けられ、ロジャーが自殺したという知らせも入った。

 

解放されたマーロウは、全てを悟り、メキシコへ向かう。

 

原作は、ハードボイルドの手本となるような名作である。

 

映画になると、質は落ちる。

 

それは仕方がない。

 

チャンドラーの小説を読むような人は、ロマンチストで想像力が豊かだからだ。

 

想像を超える画像は、不可能なのである。

 

 

傭兵奪還

アメリカのアクション映画である。

 

主人公ウォーカーは、イギリス人の傭兵であり、アフガニスタンで任務に就いていた。

 

そこに、アメリカにいる娘が麻薬で死んだと知らせが入る。

 

彼は任務を放棄して、ロサンゼルスに飛ぶ。

 

遺体と対面したが、それは別人だった。

 

娘のアパート行くと、荒らされていたが、そこで遺体の女性が娘と写っている写真を見つける。

 

彼は娘が働いていた「モースト社」を訪れ、社長に問いただすが追い払われてしまう。

 

その際、社員に暴行して警察に引き渡された。

 

担当した刑事は、ウォーカーの言葉にピンと来るところがあった。

 

釈放されたウォーカーは、金の力で娘を捜し出す。

 

何年かぶりの再会なのに、気の強い娘で感動も何もない。

 

彼女は、モースト社で働くうちに、不正に気付き、命を狙われていたのだ。

 

そして彼らは、モースト社に乗り込む。

 

ストーリーというほどのものは、無い。

 

強い傭兵親父が、悪者を次々に撃ち殺す話だ。

 

主人公は、リーアム・ニーソンに雰囲気が似ている。

 

吹き替え盤で見たのだが、あまりの下手さにあきれてしまった。

 

字幕なら、もう少しマシな印象があったかも知れない。

 

正義の側に犠牲者が無く、傷も負わない演出は、薄っぺらい。

 

スティーブン・セガールの映画ですら、味方が死んだりするのに。

 

こういう駄作を観ることは、とても勉強になる。

 

この愛のために撃て

フランスのアクション映画である。

 

主人公サミュエルは、平凡な看護助手であり、妊娠中の妻と仲むつまじく暮らしていた。

 

ある日、彼が勤める病院に身元不明の男が運び込まれた。

 

彼は交通事故で、重傷を負っていた。

 

そして何者かに人工呼吸器を外されて殺されかけたため、警察の護衛がついた。

 

そんな時、サミュエルの妻が誘拐され、男を連れ出せと要求された。

 

サミュエルは男を連れ出して逃げる。

 

ところが、すんなり交換とはいかない。

 

男はサルテという名で、指名手配されている犯罪者だった。

 

交換に失敗した彼らは、サルテの隠れ家に身を寄せる。

 

彼らに友情のようなものが芽生えてくるのは、面白い。

 

ここに、ファーブル刑事のチームと、ヴェルネール刑事のチームが、絡んでくる。

 

しかもこの二人は、仲が悪い。

 

この映画は、サミュエルの走るシーンが多い。

 

逃げているのだが、普通の看護師の運動能力で、そんなに走り回れるのかというほど、逃げ回る。

 

ハラハラドキドキが、息もつかせぬスピードで展開されるので、見応えのある作品だ。

 

感動するような映画ではない。

 

一時の高揚感を与えてくれる、エンターテイメントそのものの作品である。