captainsunday’s blog

ネタバレしないように、思い出に残っている映画を、簡単に解説しています。

トランスポーター

ジェイソン・ステイサム主演、アメリカ・フランス合作のアクション映画である。

 

主人公フランク・マーティンは、「運び屋」だ。

 

契約厳守、名前を聞かない、中身を見ないを信条に、非合法なものでも何でも運ぶ。

 

ある日、約50キロの袋を運ぶことになった。

 

途中でパンクしたので、修理のためにトランクを開けると、袋が動いた。

 

信条に反するが、気になって開けた。

 

縛られた女性が入っていた。

 

この女は、逃げだそうとしたが、すぐに捕まり、依頼通りに届けられた。

 

フランクは、次の依頼を受け出発する。

 

途中、外に出ている時、車が爆発した。

 

命が狙われ、復讐のために依頼元に戻り、一暴れするが、肝心のボスがいなかった。

 

仕方なく車を盗んで出発する。

 

その車には、先ほど届けた女が乗っていた。

 

この作品は、展開が速い。

 

しかし、ストーリー自体が単純なので、混乱することはない。

 

正義でも悪でもない、独立した自分というのがいい。

 

正義のヒーローだったら、面白くなかっただろう。

 

アクションシーンも豊富で、見応えがある。

 

ただ、ジャン・クロード・ヴァン・ダムにも言えるが、格闘のスピードが遅い。

 

ゆっくりしたパンチやキックが、なぜ当たるのか、なんて思うと興ざめする。

 

ジャッキー・チェンジェット・リーとは違うのだから、同じものを期待してはいけない。

 

 

ラビリンス / 魔王の迷宮

アメリカのファンタジー映画である。

 

15歳のサラは、弟トビーの子守をするのだが、まだ赤ちゃんであるトビーは、泣き止まない。

 

ゴブリンの魔王に、迷宮へ連れて行ってくれと言ってしまう。

 

それが現実になってしまい、トビーは連れ去られてしまった。

 

残されたサラは混乱するが、そこへ魔王がやってきて、望通りにしてやったではないか、返して欲しかったら13時までに城まで来い、と言われてしまう。

 

サラは、迷路を歩き始めた。

 

途中、色々なゴブリンが現れる。

 

ボルグという名のゴブリンや、ルドという獣、橋の門番などと仲良くなり、一緒に城を目指す。

 

ところが、魔王が邪魔に入る。

 

時計の針を一気に進めたり、ボルグを脅してサラを妨害しようとする。

 

このままでは、13時までに城にたどり着けない。

 

13時というのは、午後1時のことではない。

 

ラビリンスでは、真夜中が13時なのだ。

 

30年ほど前の作品で、ゴブリンの殆どは人形だ。

 

ルドは着ぐるみである。

 

CGでないのがいい。

 

柔らかく、暖かみがある。

 

撮影には苦労しただろう。

 

魔王は、デビッド・ボウイが演じている。

世界に1つのプレイブック

ブラットリー・クーパー主演、アメリカの映画である。

 

主人公パットは、元高校教師だ。

 

ある日、同じ高校教師の妻ニッキが、自宅で同僚と浮気をしていた。

 

たまたま、自宅に戻ったパットが浮気現場を目撃して激怒。

 

相手の男を叩きのめしてしまう。

 

裁判の結果、精神病院で療養することになった。

 

躁鬱病と診断されたのだ。

 

母親の努力もあり、八ヶ月で退院する。

 

だが、ニッキや勤務していた高校に接近禁止命令が出されていて、ストレスが溜まり、夜中に激怒して大騒ぎをし、警察ざたにもなる。

 

そんな折、友人宅に食事を招待され、友人の妻の妹ティファニーと出会う。

 

彼女は、夫を事故で亡くし、性依存症になって治療を受けていた。

 

同じような精神的な病を抱えているパットとティファニー

 

ひょんなことから、ダンス大会に出場することになって、練習を始める。

 

この映画では、パットの父親役でロバート・デ・ニーロが出演している。

 

この父親は、アメフトのテキ屋をやっていて、神経質で、いつも験担ぎをする。

 

パットの精神疾患は父親からの遺伝ではないかと思わせる、正常と異常のギリギリの境目を演じている。

 

流石だ。

 

この作品は、口論のシーンが多い。

 

多すぎて辟易するくらいだ。

 

それでも、ハリウッド映画らしく、ラストはハッピーエンドで、ほっとする。

 

 

 

 

ネバーセイ・ネバーアゲイン

ショーン・コネリー主演、アメリカの映画である。

 

007シリーズで、ショーン・コネリージェームズ・ボンド復帰作品だ。

 

映画は、すっかり身体がなまってしまったボンドが、Mの命令で、身体をメインテナンスすることから始まる。

 

療養施設で、偶然、スペクターの女殺し屋とアメリカ空軍兵士の秘密訓練を目撃し、殺されかけた。

 

犯罪組織スペクターが、核弾頭を強奪した。

 

洗脳されたアメリカ空軍兵士が、大統領の網膜認証システムを利用して盗み出したのだった。

 

ボンドは、奪還の命を受けてバハマに飛ぶ。

 

スペクターの一人である大富豪が所有するヨットに、上手く乗り込んだ。

 

昔の007シリーズは、殺し屋が簡単に殺しに来るシーンもあれば、悪党がボンドを誘い込んで、なかなか殺そうとしないシーンもある。

 

「見付けたら殺す」では、映画にならないからか。

 

おびき寄せたボンドを生かしておく、真っ当な理由がない。

 

こんな風に、批判的に観てしまうと、興ざめする。

 

イアン・フレミングの原作も、大して面白くないが。

 

 

七月と安生

香港・中華人民共和国合作の映画である。

 

七月は「チーユエ」、安生は「アンシェン」と読み、主人公である2人の女性の名前だ。

 

上海で暮らす安生の元に、映画関係者がやってきた。

 

ネットで評判の小説があって、作者を紹介して欲しいということだった。

 

小説の登場人物が安生だから、会いに来たという。

 

ここから、回想シーンに入っていく。

 

13歳のとき、七月と安生が出会った。

 

真面目な優等生の七月と、自由奔放な安生の成長が、生き生きと描かれている。

 

高校に進学した七月は、一人の男性を好きになる。

 

告白された安生は、こっそり、どんな男かを確かめに行く。

 

そして彼女も、その男性を好きになってしまう。

 

後半は、現実の回想シーンと小説の区別が付きにくい。

 

わざと、その様な演出をしているのだろう。

 

引き込まれる作品である。

 

一度観て、すぐにもう一回観た。

 

これは、秀作である。

PAN~ネバーランド、夢のはじまり~

アメリカ、イギリス合作の映画である。

 

孤児院に捨てられたピーターが、他の孤児達と共に海賊・黒ヒゲに掠われて、ネバーランドに連れて行かれる。

 

そこで、奴隷として「妖精の粉」を採掘させられる。

 

ピーターは妖精の粉を見付けたものの、泥棒の濡れ衣を着せられ、処刑されることに。

 

板から突き落とされたが、なぜだか、空を飛んだ。

 

その後、黒ヒゲに捕らえられて牢屋に入れられるが、フックと共に抜け出して、妖精の国へ向かう。

 

これから、ハラハラドキドキワクワクの冒険が始まりそうなのだが、普通の冒険だ。

 

高低差を意識したCGが多用されていて、3Dで観たら迫力があるのかも知れない。

 

かなり、制作費が掛かっているだろう。

 

ところが、アナログの極みと言える舞台の「ピーター・パン」の方が、はるかに面白かった。

 

この映画は、脚本が稚拙なのだ。

 

ピーター・パンのように原作がしっかりしたものは、創造力が無い者でも、脚本は書ける。

 

ただ、他の作品との差別化ばかりに気を取られて、つまらない物になってしまうのだ。

 

名作には、新しい解釈も、新しい展開も必要ない。

 

CGやSFXの技術が進歩しているのだから、真っ直ぐ作った方が面白い作品に仕上がる。

 

しかし監督は、自分のオリジナルが欲しいのだろう。

 

続編も、期待できない。

フィクサー

ジョージ・クルーニー主演、アメリカの映画である。

 

法律事務所に勤める元検事マイケルは、フィクサーとして活躍している。

 

フィクサーとは、ここでは、もみ消し屋のことだ。

 

妻と別れて息子の親権争い中であり、病気の父親を面会に行く時間もなく、あらたに始めた料理屋も失敗。

 

借金を抱えてしまった。

 

マイケルが勤めている弁護士事務所は、農業関連の大企業側に立って、集団訴訟の最中である。

 

担当弁護士アーサーは、原告有利な機密文書を手に入れ、良心から訴訟妨害に出た。

 

マイケルが、早速もみ消しに掛かる。

 

しかし、アーサーから真実を聞かされ、事務所と自身の良心の板挟みに。

 

そんな折、アーサーが殺され、マイケルも殺されそうになった。

 

巨大な資本を持つ大企業と、対決することになる。

 

この作品は、テンポが良い。

 

前半部分で、主人公の性格や環境を、きっちりイメージとして焼き付けている。

 

後半は、アクションシーン満載だ。

 

映画は、エンタテイメントである、というところからずれていない。