禁断の果実を食べてエデンの園を追放されたアダムとイブには、カイン、アベル、セトの3人の息子がいた。
カインはアベルを殺した。
カインの子孫は、神に見放された堕天使たちの力を借りて、文明を築いた。
いつしか、カインの子孫たちは、堕天使を裏切って倒してしまう。
セトの子孫は、神の創造物を大切に守ってきた。
セトの子孫であるメトシェラの孫ノアは、幼いころ、父をカインの子孫ドバル・カインに殺された。
ノアは成人し、妻ナーマとの間に3人の息子、セム、ハム、ヤフェトを授かった。
ある日ノアは、夢で神の啓示を受けた。
洪水が起きて、生き物が全滅するという夢だった。
ノアは、祖父メトシェラに会うために、家族を連れて旅に出た。
途中、人々が虐殺された村を通った。
そこで、怪我をしているが生き残っていた少女を見つけ、手当てをした。
その時、盗賊たちが襲いかかってきた。
ノアたちは、少女を連れて逃げるが、敵は大勢いる。
突然、岩の巨人が立ち上がり、ノアたちを連れ去った。
岩の巨人はオグという名の堕天使で、かつてメトシェラに助けられた見張りの天使のひとりだた。
ノアは、無事メトシェラに会うことができた。
メトシェラから託された種を植えると、水が湧き、瞬く間に森ができた。
ノアたちを訝っていた他の堕天使たちも、神の奇跡だとして、ノアを信じるようになる。
そして、箱舟造りを手伝った。
多くの人に知られている、旧約聖書「創世記」 の一説をもとにして製作されたものだから、オリジナリティを出すための苦労の跡がうかがえる。
信じている人にとっては、史実なのだから、無闇な変更ができない。
余計な手を加えれば加えるほど、ドラマチックさが失せていき、安っぽくなっていく。
とても残念な仕上がりだ。
ノアの箱舟ということで、誰しもが、大洪水のスペクタクルを期待するだろう。
しかしこの作品は、ノアの葛藤というちっぽけなテーマになっている。
岩の巨人 ( CG ) も、「ロード・オブ・ザ・リング」 の方が、出来がいい。