日本の映画である。
昭和40年、福島県常磐市 ( 現いわき市 ) の常磐炭鉱は、規模を縮小しようとしていた。
時代は、石炭から石油へと移り変わっている。
そんな折り、吉本紀夫は「常磐ハワイアンセンター」 を作る構想を持っていた。
しかし炭鉱しか頭にない炭鉱夫達は、冷ややかだった。
吉本は、フラダンスのダンサーを募集した。
炭鉱町の主婦が大勢、説明会に集まった。
女子高生の紀美子も、親友の早苗に誘われて参加した。
ところが、露出度の大きい衣装で踊っているビデオを見せられたみんなは、怒って帰ってしまう。
残ったのは、紀美子と早苗だけだった。
吉本は、東京のSKDでダンサーをしていた平山まどかを、講師として呼んだ。
最初の面接に参加したのは、紀美子、早苗、小百合、初子の4人だけだった。
母親の借金返済が目的で、ダンスの指導などやる気のないまどかは、4人を冷たくあしらった。
まどかが1人踊る姿を見た4人は、教えてくれと懇願し、まどかは厳しい条件を出して承諾した。
4人は、必死に練習し、上達していく。
炭鉱ではリストラが続き、ダンスのレッスンに通う主婦が増えてきた。
ある日、紀美子がダンスレッスンに通っていることを知った母が、連れ戻しに来た。
紀美子は家を出て、レッスン場に寝泊まりしながら、ダンスを続ける道を選んだ。
そんな中、早苗の父がリストラされ、一家は夕張に引っ越すことになった。
地方巡回が始まった。
初回は、緊張のあまり大失敗だった。
地方巡回が続く中、小百合の父が落盤事故に巻き込まれた。
この作品は、実話に基づいている。
ゼロからのスタートで、成功するまでの日々は、力が入る。
グッと来るシーンが、いくつもある。
夢を追いかける少女だけでなく、生き方を変えられない炭鉱で働く人々の葛藤も、伝わってくる。
なお、常磐ハワイアンセンターは、現在、スパリゾート・ハワイアンズと名前を変え、大型リゾート施設に発展している。