真田広之主演、日本の映画である。
ひょんな事から仇討ちの助っ人をし、楽しさを覚えた助六は、助太刀屋を生業にして旅に出た。
助太刀と言っても刀を使わず、物干し竿やら、荒縄やら、石ころやらを手当たり次第使うのだった。
刀は、鞘の中で錆び付いてしまっている。
ある時、命乞いをする相手から纏まったお金を受け取ったので、故郷に戻ってきた。
助六は、まず、五歳の時に死別した母の墓参りをした。
そこに、菊の花が一輪供えられていた。
身内のいない助六は、不思議に思った。
故郷である上州の宿場町に入ると、人っ子一人見当たらない。
そこへ、幼馴染みの太郎が通りかかった。
太郎は、番太 ( 警備の役人 ) をしている。
太郎によると、ここで仇討ちが行われるという。
脇屋新九郎と妻木涌之助が、兄の仇、片倉梅太郎を討つ。
仇討ちと聞いて助六は喜んだが、すでに、助っ人が二人用意されていた。
彼らは飲み屋で、見聞役の榊原織部が到着するのを待っていた。
飲み屋の二階では、助六の幼馴染みであり太郎の妹、お仙が、榊原織部の相手をするために、待たされていた。
お仙は生娘で、15両が支払われている。
助六は、片倉梅太郎が控えている桶屋に行った。
桶屋のオヤジは、助六を見て狼狽する。
片倉は、助六と話をしながら、位牌に自らの戒名を書き込んだ。
そして、助太刀をしてやろうという助六を一撃で気絶させ、出で行った。
真田広之の魅力満載の作品だ。
前半はコミカルに、後半はシリアスに、そして意外な結末。
短いが、楽しめる作品だ。