高倉健主演、日本の映画である。
函館の街外れ、藤野は妻と二人で居酒屋「兆治」 を営んでいる。
店は常連客によって繁盛しており、彼は親しみを込めて兆治と呼ばれていた。
兆治は、かつて造船所で働いていた。
同僚をリストラすることに反発して辞職し、居酒屋を開いたのだった。
彼には、かつて恋人・さよがいた。
二人は深く愛し合っていたが、さよに縁談が持ち上がった。
さよの幸せのために、兆治は身を引く。
さよは裕福な牧場主・神谷と結婚したが、不注意から火事を越してしまって行方をくらませた。
ある日、常連客・秋本の妻が亡くなり、もう一人の常連客・河原がそのことで秋本をなじった。
諫める兆治に対して、河原が逆上し、成り行きで兆治は河原を殴ってしまう。
警察に連行された兆治は、取り調べを受けるが、それは暴行の件ではなかった。
かつての恋人さよと共謀して神谷の牧場に放火したと、疑われていたのだ。
嫌疑が晴れた兆治は、さよを探しに札幌へ出向く。
高倉健のための映画と言える。
真面目、実直、一本気、誠実・・・。
理想的な男を、高倉健が演じている。
そう、いつもの高倉健だ。